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18日目 ページ19

"A、これ持って行ってちょうだい"



「うんっ!分かった!」



"お、今日は味噌汁にあさりかぁ〜"



「そう!今日はちょっと豪華なの!」



"そうかぁ、良かったな〜"



ぐしゃぐしゃっと乱暴に頭を撫でる。



「お、お父さんっ!そんなにしたら頭壊れるから!」



"はっ、そんな簡単に壊れねーよ笑"



「〜〜っ、おかぁさぁ〜あん!お父さんがぁあ!」



"も〜、何?先ご飯食べちゃうわよ?"



「え!?まって!Aも食べる!」



机の上には白ご飯とあさりの入ったお味噌汁。



他の家と比べては少し貧乏だったのかもしれない。



保育園にも小学校にも中学校にも行けなかった。



それでもこの生活が毎日幸せで仕方がなかった。



その日常がずっと続くんだってそう思ってた。



……そう、思ってたのに。



"あなたがギャンブルなんてするからっ!"



ただただ泣き崩れては日に日に鬱に成り果てていく母親。



"うるせぇっ!金がねぇんだから仕方ねーだろ!"



バシッ_______。



そんな母に暴言を吐いては毎日暴力を振るい続ける父の姿。



「……っ!ふ、ぅ…や、やめてよお父さん」



"あぁ?大体な、お前が居なきゃもっと金があんだよ!"



ゆらっと立ち上がればそのまま父の手が振り上げられる。



「っ、ひっ……!や、やだ……来ないで」



バシンッ_________。



「っ!〜〜〜っ、ふ、ぅ」



幸せだった日々はいつからか、地獄のような日々に崩れ落ちていった。



そして、終わりは急に呆気なく訪れる。



「えっ……お母さん?お父さん?」



ある日家に帰ると、



荷物を家から運ぶ大勢の大人達。



そしてそんな家の前には、



『売家』の文字が書かれた看板。



「っ! お父さん!お母さんっ!」



まってよ、まってよっ!



"置いてかないでよ!"







「一人にしないでっ!」



ガバッ!



「はぁっ、はぁっ…………ふ、ぅう…」



悪夢にうなされるのも何度目か。



ずっと繰り返される過去の夢。



「……まふ、どこ?」ポソッ



隣のシーツを見てみても、彼の寝顔はまだそこには見えない。



起きて仕事をしているのだとすぐに理解した。



……そう、理解したのに。



「まふっ、まふっ……!」



忙しいって分かってるのに。



我慢しないといけないのに。



「…………ま、ふ」



いい子でいなきゃいけないのに。



ベットからゆっくり降りて、



少し歩けばすぐ届くドアノブに手をかける。



ガチャ。



意識が朦朧とする中、



私はこの寝室をあとにした。

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いるよ - 最高過ぎました… (2022年12月5日 19時) (レス) id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
千華(プロフ) - 未成年だから途中まで!また成人して覚えてたら見に来ます! (2021年5月25日 17時) (レス) id: ff1aa8f056 (このIDを非表示/違反報告)
しふぉ - このお話が好き過ぎてまた見に来てしまいました。 (2021年2月7日 2時) (レス) id: 19d2dfc8bd (このIDを非表示/違反報告)
- 良かったです。また書いてくれると嬉しいです。 (2020年12月11日 12時) (レス) id: c11f1036fc (このIDを非表示/違反報告)
。。みかん - あの、後日談みたいな成長した主人公ちゃんと歌い手たちの話が欲しいと切実に思いました。もう、、あの、本当、、、好きです。(唐突な告白) (2020年11月29日 21時) (レス) id: 301c148c11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:羽鳥 | 作成日時:2017年10月23日 3時

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