大人気歌い手と1週間同居キャンペーン！【歌い手】

＊ ページ4

自己紹介や部屋の案内も一通り終わって、やっと自由時間。

やっぱり有名人と1週間も一緒に暮らすにあたって、約束は沢山あった。

恋愛対象に見ないとか、適度な距離を保つとか、写真を撮ったり情報漏らしたりTwitterに現状を載せるとかは駄目とか…これ以外にも沢山あった。

でもこれはたぶん、いや絶対守れると思う。好きな人に嫌われるなんてごもっともだ。相手の嫌がることなんて絶対にやらない。

(ただ、頑張らないとなぁ……)

私が一人でそう考え事をしていると、

「なぁそういえばAちゃんって、誰推しなん？もしかして坂田家だったりする？」

坂田さんが私の緊張をほぐそうとしてくれているのか、話しかけに来てくれた。

「え、うーん……えっと、はは」

これは坂田家といった方が良いのだろうか。本人期待しちゃってるし、実は違うんだけど……

「あっごめん気ぃ使わへんくてもええで！坂田家だったら嬉しいなって思っただけやから！もー優しいなぁ」

私が困っていると、坂田さんが優しくそう言ってくれた。優しいのはどっちだ。

「へへ、すみません。実はそらるさんです」

「そらるさんかぁ〜！いいよね！俺もそらるさん憧れてたもん！気ぃ合いそうやな！」

そういえば坂田さんって元々そらるさんが好きだったんだっけ。

「そうですね！」

一人でも自分と趣味が同じ人がいるとなんて気が楽なことか。そう私が笑いかけると、何を驚いたのか坂田さんは目を見開いた。

「お、やーっと笑ってくれた！絶対笑ってる方がええって！これ坂田家のお約束！まぁ坂田家じゃないけど…………」

「すみません、でも坂田さんも好きですよ」

「あーだめやで！誰にでも簡単に好きって言ったら！本当の坂田家になってから言ってや？」

「ふふ、はい」

やっぱり動画や放送からでもわかるいい人だ。

そのあとも坂田さんに皆の裏話とか色んな話を聞かせてもらっていた。

楽しい。まるで最初の緊張が嘘のようだ。

「お、坂田やん。Aさんも」

「お〜センラ〜！お前も暇なら一緒に話そうや！めっちゃ面白いんやで！」

「じゃあ俺も入れてもらうわ。なんの話してたん？」

「センラが酔っ払ったときの話」

「は、ほんまに？やめろや！しかもそれめっちゃかっこ悪い時のやし」

二人の会話は絶えず続いている。生で坂船の会話が聞けちゃうなんて。面白すぎる。

「あっごめんな！すっかり二人で話してたわ」

「坂田、お前のせいや」

一日目から凄く充実した気分だ。

２ 日 目→←１ 日 目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す