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初恋の君-2 ページ31

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「翔平は普通にしてたけど、俺ちょっとビックリしたんだよね」

「なにが?」

「いや…なんつーか、樹の方が彼女のこと好きなのかなーっていうのがこう…見えたというかさ」

「…そうか?」

「ん〜…別に何か言ったとかやったとかじゃないんだけど…なんかね、そう思った」

「あ〜まあね〜…」


たぶん俺だけが知っていることがある。
もしかしたらアイツの母ちゃんも知ってるかもだけど。


「実はさ…、あ〜言っちゃおうかな〜どうしようかな〜」

「なんだよ言えよ」

「…樹の初恋、Aちゃんなんだよ」

「初恋? …高校生って結構遅くね?」

「いやいやそれがさ、小さい頃、一回だけ会ってんだよ」

「えー」

「で、高校で再会して、幼い頃憶えた淡い恋心が燃え上がったってわけですな」

「ほお〜…そんなドラマみたいなことある?」


あのお祭りの日、そんなことがあった直後に俺の家族も合流して。
たどたどしく樹の口から聞いた女の子の話をなんとなく俺も覚えていた。

その後には色んな女の子と出会ったり別れたり…ずっとAちゃんを想い続けていたわけではないけど。
心のどっか奥の方にずっと残ってたんだろうな。

同じクラスになって、どうしてだか気になるようになって。
偶然に拾った小さな頃の写真の中の笑顔を見て、それがなぜなのか分かったんだってよ。

そんで話したり2人で会ったりしながら、いつの間にか恋人に…ってわけで。


「幼馴染ながら、アイツがあんな一途だったとは…って感じ」

「そんな話ほんとにあるんだな…」

「…ま、Aちゃんは知らないんだけど」

「え〜」

「全然覚えてないみたいだって言ってた」

「そこまでは上手く出来てなかったか〜」


直接聞いたわけではなくて、それとなく話を振ってみたけど覚えてなさそうだったって話。
そこは今さら重要なことでもないし、それでいいんだろう。



『初恋は実らない』 だなんて言うけどさ。
ただ直向きにお互い想い合って、ずーっと仲良く暮らしてってほしい。

近くで見てきた幼馴染はそう思うわけです。

なーんて…ガラじゃねえけどなっ!



end

喧嘩するほど→←初恋の君-1



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ちょる(プロフ) - 優希さん» うわぁ…嬉しいお言葉どうもありがとうございます!優希様を少しでも癒せているのなら良かったです。頑張って更新しますね! (2020年8月29日 0時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 5周以上読み返しています笑樹くんも彼女も可愛くていつも癒されていますこれからも応援させてほしいです(^^)頑張ってください! (2020年8月25日 21時) (レス) id: 307e0556dd (このIDを非表示/違反報告)
ちょる(プロフ) - やのさん» コメントどうもありがとうございます!やの様のお宅にも天使ちゃんがいるのですね〜嬉しい偶然でした。少しずつですが更新頑張りますね! (2020年6月14日 21時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
やの - 偶然にもうちの愛犬と同じ名前でビックリ 笑 これからも更新頑張ってください! (2020年6月14日 17時) (レス) id: 5ec2e089be (このIDを非表示/違反報告)
ちょる(プロフ) - ゑ。さん» 感想頂きどうもありがとうございます!猫のようにマイペースな感じが出てたら嬉しいです。少しずつお話増やせるように頑張ります。 (2020年5月3日 22時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょる | 作成日時:2020年4月28日 21時

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