猫みたいな彼と彼女のお話

宅飲み-1 ページ25

side 友人



ただ今友人カップルの家で酒盛り中。

メンバーは部屋の住人である樹とその彼女、そして俺ともう一人。
本当なら彼女が呼んでくれた女の子がいるはずだったけど、ものもらいが出来ちゃったらしく来られなくなった。
別に眼帯してたって俺は気にしないけど、女の子はそういうわけにもいかないんだろうから仕方ない。

代わりになぜか、樹の幼馴染で俺の友達でもある翔平が一緒に飲むことになった。



丸いテーブルに、床に座って飲み始めた時は時計でいうところの０時、３時、６時、９時みたいな等間隔で座ってたはずなんだけど。
いつの間にか９時にいた彼女が０時の樹にじりじり寄ってって…。 11時半くらいまで行っちゃってる感じ。

こないだ会った時には、あんまりベタベタしないドライな二人だなと思った。
雰囲気なんかも恋人同士のソレというよりすでに夫婦のような感じで、目の前で手を繋ぐとかそういったのもなかったから。
長年一緒にいるとこんな風になるんだなぁ…なんて思ったし、そうなるのもいいもんだなぁ、と少し羨ましくもなった。



はじめから楽しそうではあったけど、酒がすすむにつれて…さっきから目の前で行われるそれ。

テーブルに置かれていた樹の右手を取り、自分の足の上で握ったり手のひらを揉んでみたり、持ち上げてほっぺたに当ててみたり。
まあ満面の笑みでそれはそれは楽しそうに。

樹はといえば、まるで気にせずにされるがまま…猫と戯れている翔平を見てみても全然気にしていない。
俺よりもこの二人と付き合いが深いだろう翔平の様子から、これは別に珍しいことではないのだろうとわかった。


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