平日、夜の出来事 ページ17
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ソファの下に並んで座り、録画しておいた少し古い映画を観ていた時だった。
「A…大丈夫？」
「え？」
「なんか今日すごい疲れて見えるけど」
「…うそ」
やだ、顔がやつれてるとか？
慌ててほっぺに手をやってグニグニ回してみる。
「違うって…顔はなんともない、いつも通りだよ」
「あ、そう？」
頬に当ててた手を取られて、そのまま藤原くんのキレイな手で片方ずつそっと包まれる。
「…なんかあった？」
「んー…」
あったといえばあった…というか、今までちょっとずつ蓄積されてたというか。
同じ職場に少し苦手な人がいる。 年上の男性社員なんだけど、けして悪い人じゃないことは知っている。
ただ…色んなことに否定的なことばかり言うところはちょっと苦手。
そんなの出来るはずない
これが美味いとか舌がオカシイ
こんなもん楽しいとか意味わからん
どうせ無駄なんだから
自分に言われてるわけじゃなくても、マイナスな言葉は聞いているだけでげっそりしてきちゃう。
本人はきっと何の気なしに口にしているんだろうし、同調も反論もせずにとりあえずただ聞いている。
職場でしか会わない人だし、家に帰ってきて美味しいものを食べて、面白い映画やドラマを見てのんびり過ごす。
特に気にしていないはずだったんだけど…でも今こう思うってことは、そのモヤモヤが消化しきれてないってことなのかな。
「まあどうにもできないし…しょうがないんだけどね」
「もうさ、聞いてる間ずっと真顔でいれば？」
「それじゃあ明日はそれでいこうかな」
「…他は？ 何もない？」
「うん、大丈夫。 聞いてくれてありがとう」
こうして話をするだけでもすっきりする。 モヤモヤが少しずつ剥がれていって心が軽くなる感じ。
一緒に暮らし始めてからの藤原くんは前よりももっと、わたしのこういう些細な変化に気付いてくれるようになった。
「辛いとか悲しいとか嬉しいとか…なんでも。 Aのことちゃんとわかってたいから言って」
「うん、ちゃんと話す」
「…じゃあ、おいで」
握られてる手ごと引き寄せられたから、おとなしく藤原くんの胸にポスンとおさまった。
何が「じゃあ」なのかといつも思うけど、こうして優しく甘やかしてくれるのは好きだから気にしない。
テレビにはエンドロールが流れていた。
end
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ちょる(プロフ) - 優希さん» うわぁ…嬉しいお言葉どうもありがとうございます！優希様を少しでも癒せているのなら良かったです。頑張って更新しますね！ (2020年8月29日 0時) (
レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 5周以上読み返しています笑樹くんも彼女も可愛くていつも癒されていますこれからも応援させてほしいです(^^)頑張ってください！ (2020年8月25日 21時) (レス) id: 307e0556dd (このIDを非表示/違反報告)
ちょる(プロフ) - やのさん» コメントどうもありがとうございます！やの様のお宅にも天使ちゃんがいるのですね〜嬉しい偶然でした。少しずつですが更新頑張りますね！ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
やの - 偶然にもうちの愛犬と同じ名前でビックリ 笑 これからも更新頑張ってください！ (2020年6月14日 17時) (レス) id: 5ec2e089be (このIDを非表示/違反報告)
ちょる(プロフ) - ゑ。さん» 感想頂きどうもありがとうございます！猫のようにマイペースな感じが出てたら嬉しいです。少しずつお話増やせるように頑張ります。 (2020年5月3日 22時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょる | 作成日時：2020年4月28日 21時
