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「…なんかあったんですか」
「んー…まあ、ね…いつものことなんだけど」
「あー…」
先輩の、いつもの女遊び。
バレてないと思ってるあたり詰めが甘いというかなんというか。
Aさんに言ったことがある。もう別れたらいいんじゃないかって。
それか…もういっそのこと、同じように他に男作ったらどうですか、って。
まあ、よその恋愛沙汰にあまり口を突っ込むのもどうかと思うから一度っきりだけど。
「っつーか、よく俺ん家わかりましたね」
「一回きたことあるよ?」
「ん?」
「旅行のお土産渡しに…ふたりで」
「…あー…、あったかも」
「……急にビックリしたよね」
結局口をつけることのないまま、テーブルに置かれたマグカップ。
「…前にさ、昂秀君が言ったんだよね」
「俺?なんだろ…」
「…他に男作ったらどうですか、って…だから…」
うわ…そういうこと? 俺をその相手にしようってことね。
別にいいんだけどさ…でも、ひょっとしたら俺まで痛い目見るかもしれないんだから覚悟のほどを見せてほしい。
そうしたいんだったら、Aさんの方から仕掛けてくれなきゃじゃない?
とりあえずAさんの思惑には気付かないフリで聞き返してみる。
「…だから?」
「…わかってるくせに」
二人の間、ソファの上に置いた俺の手に、Aさんの手が重なる。
意味ありげになぞる、綺麗にネイルのされた細い指。
そのまま腕を辿り、頬に触れ、引き寄せられる。
近づくにつれ合わせた視線はぼやけて。
触れた唇は、
甘い罪の味がした。
end
先輩の彼女とのお話ver.2(i.f)→←先輩の彼女とのお話ver.1(t.s)
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ちょる(プロフ) - も。さん» はじめまして。たくさん褒めていただきこちらが嬉しくて叫び出しそうです…!ひとまずはもうひとつの作品の方を頑張りますね。感想頂きどうもありがとうございました! (2020年6月7日 21時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - こんにちは!お話全て読ませて頂きました、どれも素敵なお話で胸がキュンキュンして叫び出しそうになりながら読みました……これからも更新頑張ってください!猫みたいな〜の作品の方も読ませて頂きます! (2020年6月7日 17時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょる | 作成日時:2020年3月1日 21時