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「おまたせ〜」
「はい、待ちました〜」
「ごめんごめん」
土曜日のお昼前。
わざわざ休みの日に、断ることもできたのにそうしなかった。
「いや〜助かったわ」
「それでよかったの?」
「うん、俺だったら考えつかなかったし」
まだ1か月だし、あんまり重くない方がいいんじゃない?
これからの記念日やイベント事のプレゼントを一個ずつ増やしていこう、みたいなのはどう?
わたしの提案に「それいいかも!」と言った昂秀の次の一言は余計だったけど。
「やっぱ持つべきものは親友だな!」って…そっか、わたしは親友なんだなーって思い知った。
だったらしかたない。
親友の恋は応援するしかないもんね。
「メシでも食ってく?」
「帰る、午後からバイトだし」
バイトも本当だけど、プレゼントの参考にと彼女の話聞いたりしてたから。
ゴハン食べながらまたノロケとかはちょっときついなぁ…っていうのが本音。
「そっかー…じゃあはい、あげる」
「なにこれ」
差し出された小さい袋。…今出てきたばっかりのお店のやつ。
あげると言うから受け取って中を見たら、さっき見てたピアスが入っていた。
「…なんで?」
「ん〜今日のお礼? と、Aもう少しで誕生日だし…、まあそんな感じ」
「…ありがとう」
こういうとこ、昂秀の良いところだと思うし嬉しくないわけがない。
でもこんなことされたら、ちゃんと親友になりたいのに…好きが全然減っていかなくなっちゃうよ。
…いっそキライになれたらいいのにな。
小さな星が連なったチェーンピアス。
これはしまったままにしよう。
じゃあまた来週学校で、とその場でバイバイと帰っていく昂秀に手を振り返した。
end
酔っぱらいな彼とのお話(k.t)→←親友だという彼とのお話(t.s)
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ちょる(プロフ) - も。さん» はじめまして。たくさん褒めていただきこちらが嬉しくて叫び出しそうです…!ひとまずはもうひとつの作品の方を頑張りますね。感想頂きどうもありがとうございました! (2020年6月7日 21時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - こんにちは!お話全て読ませて頂きました、どれも素敵なお話で胸がキュンキュンして叫び出しそうになりながら読みました……これからも更新頑張ってください!猫みたいな〜の作品の方も読ませて頂きます! (2020年6月7日 17時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょる | 作成日時:2020年3月1日 21時