Fischer's 短編 2。 (ページ10)

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「はいはい、Lv3はー細すぎるモノマネね。
出来んの？A。」

『細すぎるモノマネ…までは難しいかも
しれませんが、一応できます！』

「ほぉー、それも楽しみだな。」

『頑張ります！』

お兄さんの部屋に侵入し、息を整える。
次は黙ってやる事は出来ないのでとても緊張する。

起きてしまったら、どうしよう。という不安と
命の危険を感じる。

よ、よし。と気合いを入れてカメラの前に立つ。

『えっと、アンパンマンのモノマネします。

僕、アンパンマン！』

ガタッと後ろで音がする。
Aが振り向くと、寝返りを打っていただけだった。

『あと、もう1つピカチュウのモノマネします。

ピ、ピカピー。』

ゆっくり振り返り様子を伺ってみるが
特に反応はないので成功。

Aがバレていないのに足早に退散する。

Aが居なくなった後、布団が小刻みに
揺れる。

『シルクくん！何とか成功です！』

「まーじー？
ここでバレると思ってたのに。」

『私もその覚悟で挑んでました。』

「すげーな、やるな！でもLvMAXはキツいぜー？」

『LvMAXは何でしたっけ？』

「布団に入る。」

Aが顔に手を当て、絶句する。

「言ったろ？キツいって。
A、絶対無理だろ。」

『絶対、足蹴り喰らいますよ！』

そこじゃねーだろ、とシルクからツッコまれる。

「女の子が男の布団に入り込む事が問題なのー！」

『……確かにそうですね、でもそこもクリアしないとドッキリが成り立ちません。』

「お前のその根性は今、どっから湧いてんだよ。」

『だって、中々ないじゃないですか！
私が仕掛ける側になる事が。』

「でも、たまにンダホと組んでやったりしてるじゃん。」

『いつも、グダグダになって失敗してるじゃないですか！』

自覚あるんだ、とシルクが笑う。

『だから、こうやって順調に成功出来てるのが嬉しいんです！

やるからには最後までしたいです。
命綱のホイッスルもありますし…。』

Aが首に下げてるホイッスルをシルクの前に見せつけるように突き出す。

「はぁー、そこまで言うならやるんだな？
どうなっても知らねーぞ？

何かあったらすぐ鳴らすか、こっちに来いよ。」

どうなっても知らない、と突き放す割には次の言葉でもう優しさが滲み出ている。

『頑張ってきます！
ドッキリ大成功を掛けて。』

Aが緊張な面持ちで出ていく。