Fischer's 短編 2。 (ページ39)

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Aが漫才が終わった途端、脱力して息を吐く。

「なに、そんなに疲れた？」

『いえ、疲れたというか…なんだろう。
敬語禁止に加えフリートークで緊張しまし…
したよ！』

「あはははは！
そうだな、フリートークは大変だった。
でも、案外楽しかったよ。

俺は。」

と俺が言うとAが嬉しそうな表情をした。

可愛い。
ほんとに分かりやすいやつだな。

でも敢えて聞く。

「Aは、どうだった？」

『私も、楽しかったです！』

笑顔で答えてくるA。

可愛い、可愛いけど…

「ちゃっかり、敬語使ってんぞ。」

ムニッとまた頬を掴む。
ごめんね、とAは掴まれたまま謝った。

『あの、シルクく…お兄さんはこの家に
居ないの？』

「いるよー、
俺が終わりの合図すれば出てくる。」

『そうなんだ！じゃあ、
他にも何かする事あるのー？』

「ないよ、もう全部終わった。」

え、じゃあ…とAが言いかけた言葉を俺が遮って

「Aと二人で話したいから。」

俺がAの方に顔だけを向ける。
Aは少しだけびっくりしている表情をしていた。

「だめ？」

Aが首を横に振ってだめじゃない！と微笑んで言った。

『あの、私もお願いがあるの…！

敬語禁止を解除して欲しい！』

おずおずした様子で言うので、承諾する。

「そういえば、さっきディズニーの話出たけど…。」

『アレ、ほんとの話じゃないですよ！』

「分かってるよ、ほんとだったらヤバいだろ。

じゃなくて、今度一緒に行かね？」

Aが驚いてこっちを見上げる。

『え、あ…。』

「Aの空いてる日でいいからさ。」

『大丈夫ですけど…。』

「けど？」

『いや、その…。』

しどろもどろとした反応をし、困った表情を見せる。

「アイツじゃないからやだ？」