影山家次女、好きな子には要注意5【逆ハー】

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田中｢はぅぁぁぁああああああっ…！！｣

晴空｢ぬぉ｣



放課後の部活前、男子排球部更衣室。


当たり前の様に更衣室に入ってきた晴空には気にもとめず、今月のバレー月刊誌を顔を顰めて読む田中。


菅原と楽しそうに話していた晴空も、奇々怪々なその呻き声には目を向けた。



田中｢月バリに及川が…！しかも写真付きで…！！｣

晴空｢まじ？！｣

影山｢…｣



どんなものかと見てみれば、カメラに向かってキメ顔をする愛しき先輩の写真が。


その写真に晴空は目を輝かせ、影山は反対に顔を顰めた。



菅原｢まぁ、実力は全国クラスだからなぁ。｣



なんて書いてあんだ？


菅原が顔を傾け、興味あり気に田中に問う。



田中｢えぇっと…及川選手の好きな食べ物は…牛乳パン…。座右の銘は…“叩くなら折れるまで”ぇ？！｣

晴空｢うわぁ、いらな…｣

菅原｢なんだそりゃ…｣

西谷｢そんな余計な情報は要らねぇよ！｣



完全なる女子向けの情報に、その場の全員が微妙な顔をする。


なんでも青城は打倒白鳥沢を目指し三年生の殆どが残ったらしい。


その吉報には晴空も目を輝かせ、影山にこの刊を買いたいと懇願する。


もう既に購入済みだったらしい。



晴空｢稲荷崎の特集組まれてた？｣

田中｢いや？今回はあんまり……なんで？｣

晴空｢なんでもない！私も読もーっと。てか自腹でもう一冊買ってもいいかな？｣

影山｢あ？別にいいんじゃねぇの｣

田中｢？｣



怒りで雑誌を破りそうになった田中も、晴空の問いには首を傾げる。


弟からの禁止令だろうか。イケメンな選手を見るなって感じの。


影山の表情を見てみると、やはり眉間にシワの寄った険しい顔をしていた。



田中｢お前…本当に大変なんだな｣

晴空｢………え？私に言ってる？｣



最近の晴空を見ていると、だんだん哀れになってくる。



増え始めた告白の数。

日々の練習の増加。

二年に上級し気が抜けた生徒も増えたせいか、日に日に強くなる教師からの期待、プレッシャー。

周りからの羨望の眼差し。

最近になって強くなり始めた影山の束縛。



三つ目のはちょっと教師殴りたくなるけど、何もできない無力な自分に嫌気がさす。


ウシワカこと牛島の話で持ち切りになる部員を差し置いて、田中は晴空の肩にそっと手を置いた。



晴空｢何なん？？？｣






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