検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:28,724 hit

39 ページ39

.








.








何だかんだ言って

俺を受け入れてくれる(人1)は、

やっぱりお人好しなんだなぁ

なんて笑いが込み上げてくる。








こいつは、付き合ったばかりの時も

そうだった。






−健人「(人1)の部屋って

めっちゃ綺麗そうなイメージなんだけど。笑」




(人1)「そんなことないよ。笑」




健人「じゃあ、今度 (人1)ん家連れてってよ!」




(人1)「いいよ!」









そう言って、こいつは

どこか嬉しそうに俺を部屋に連れ込んだ。




俺は、部屋に入るとすぐに

(人1)をベッドに押し倒した。




その時のことを、

こいつが忘れるはずがない。




だって、








−「怖かったけど、

初めての相手が健人でよかった」








そう言って微笑んだから。




なのに、こいつは

元カレの俺を普通に部屋に招き入れた。






ほんと、バカすぎる。








俺は、こいつの習性を利用して、

携帯を取り出した。







そう。

こいつは、行為のあと、

すぐに睡魔に襲われて

意識を失ったかのように寝てしまう

癖があるのだ。




俺は、携帯で(人1)の寝顔を盗撮し、

俺の顔が見えないように、

服を着ていない(人1)と抱き合いながら

もう一度シャッターボタンを押した。








.








.









『……』








10年以上生きてて、

今日初めてわかったことがある。




人間、極限状態まで泣くと

泣いてることにすら疲れて

ある時 ぷつんと泣き止むタイミングが

来るということだ。




そうなってしまうと、

意外と呆気ないというか、

なぜか少し物寂しくなる。








『……帰りたくないなぁ』








泣きやんだとは言え、

たぶん目は真っ赤に晴れ上がって

むくみまくって、

たぶん最悪な状態。




親に見られたくないな

なんて思ってても、

たぶん気づかれるんだろうな

なんて妙に現実的になる。








『…1チャン 懸けてみようかな』








一かバチかで、私は

あいつに電話をかけて、

画面を耳に押し当てながら

目をギュッと瞑った。


































「……もしもし」








思わぬ結果に

再び涙が溢れそうになった時、








『……風…磨…』








泣き疲れたせいだろうか。




体に力が入らなくなって、

頭に感じる痛みと共に

意識が遠のいていった。

40→←38



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.2/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
36人がお気に入り
設定タグ:菊池風磨
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

xLuvx(プロフ) - 続き待ってます!更新頑張ってください!! (2015年6月7日 11時) (レス) id: aebc61ec1f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紫月華恋 | 作成日時:2014年12月9日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。