あいつはあの子のもの－風磨－ (ページ34)

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『……違う…！』

風磨｢えっ…？｣

『……違うの…。

あたしが好きなのは、中島なんかじゃない…』

ダメだとわかっていても、

体が言うことを聞かない。

風磨の温もりをもう一度感じたいと

貪欲になっている自分がいる。

風磨｢あ、別に気使わなくていいよ。笑

さっきの冗談だから笑『私は…!!』

『……私は、冗談なんかじゃない…』

風磨｢…どういう意味？｣

『あたしが好きなのは……

風磨だけだよ…』

周りの騒がしい音が

まるで無音のように何も聞こえなくなる。

言ってしまった後悔で、

また涙が頬を伝っていく。

風磨｢……友達として…だよな…？｣

『……違う』

風磨｢…やめろよ、そんな冗談。

…あの…あれだろ？

その…(人1)とのこと心配して

慰めようとして…｣

それでも泣き止まない私を見て、

風磨は私の気持ちにやっと気づいたらしく、

目を大きく見開いて、

慌てて目線をそらした。

『最低だってわかってるよ、

友達の彼氏を好きになるだなんて

間違ってるってことくらいわかってる、

でも……

…それでも好きなの……』

そう言うと、風磨は

｢……ごめん…｣

そう言って、この場を去った。