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Aside
あのあと、
「そうだ、買い出し頼まれてたの
忘れてた…笑
私、そろそろ行くね」
と、どこか焦った様子で
(人1)は涙を拭いながら
どこかへ行ってしまった。
本当にこれでよかったのだろうか と
後悔ばかりが募っていく。
私が勝手に(人1)に言ったと知ったら、
彼は怒るだろうか。
口が軽い女だと、
私を軽蔑するだろうか。
不安が胸をよぎる。
そんな時、
『……あっ…!!』
前に、彼から貰ったネックレスが
突然プツンと切れて床に落ちた。
どうやら、ただ外れたのではなく、
完全に切れてしまったようだ。
『……あーあ…』
もう元に戻らないネックレスが
まるで何かを伝えているかのように思えた。
でも、この時は特に気にしていなかった。
今 思い返すと、
これが 彼との終わりの合図
だったのかもしれない。
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-今 どこにいる? 11:56
健人と話し終えたあと、
丁度 私が泣いている時に来たLINE。
『……どこ行っちゃったんだろ…』
-ごめん、今気がついた! 12:49
-今 どこにいる? 13:07
なんて嘘をついて、
私が落ち着いてきたタイミングで
返信をした。
なのに、一向に返事が返ってこない。
もうすぐ13:30になろうとしている。
教室の端で一人で携帯をいじり始めてから
もう30分以上 経っていた。
不安は収まるどころか
刻一刻と増していく。
だが、そんな時だった。
♪〜
握りしめていた携帯から
着信が入った。
私は、すぐに教室を飛び出して、
誰もいない屋上の前の階段に向かった。
画面には彼の名前。
それだけで気持ちが少し落ち着いた。
なのに、
『もしもし?
今どこ??』
風磨「……っ。
……A、ごめん…っ」
『どうしたの!?
……泣いてるの…?』
風磨「……もう、
自分の気持ちに嘘つけない…」
『……どういうこと…?』
風磨「……俺、やっぱり
(人1)を裏切れない……」
神様はいつだって意地悪だ。
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抹茶もち \ ♪♪ /(プロフ) - わぁぁぁぁ、めっちゃいいお話ですね 感動して泣きましたヽ(;▽;)ノ紫月さんのお話大好きです!! (2016年3月22日 13時) (レス) id: f516db3a4f (このIDを非表示/違反報告)
xLuvx(プロフ) - 移行おめでとうございます!!これからも無理せず更新頑張って下さい!! (2015年6月14日 23時) (レス) id: aebc61ec1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫月華恋 | 作成日時:2015年6月14日 22時