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……どうして…。




どうしてあそこまで酷いこと言ったのに

俺をまだ好きでいてくれるの…。








正直、本当は今でも

後悔が消えたわけじゃない。




今まで めんどくさいと思ったことは

何度もあったし、

別れようと思ったことも

何度もあった。




でも、(人1)を嫌いになったことなんて

一度もない。









別れたのだって、

嫌いになったからじゃない。




(人1)がまだ中島のことが

好きなんじゃないかと思って

自ら身を引いたんだ。






Aがいなかったら、

Aが好きだと言ってくれなかったら、

きっと、今でも別れを告げる勇気は

なかったと思う。




でも、Aの気持ちが

俺の背中を押してくれたような気がして、

俺は 一歩 踏み出せた。







なのに、俺がしてしまった行動は

(人1)を深く傷つけた。




本当のことを全て知ってしまったら、

きっと、Aも傷つけることになる。




























風磨「……くそっ…」








止まらない涙に気づかされたんだ。








俺が本当に好きなのは、




今でも(人1)だけなんだと。









好きな人に 今でも好きだと言われることが

こんなにも辛いことだなんて

思ってなかった。








Aといる時に感じた

自分が自分らしくいられる、

どこか居心地がいいような感覚は、

俺が求めていた好きではなかったんた。






俺が本当に求めていたのは、


自分が自分じゃなくなるくらい

好きで堪らなくて、

自分を偽ってでも、好きな人のために

かっこつけた自分を演じて、

そんな自分のことを

好きでいてくれるような、


甘くて苦く、

時に辛いようなものだったんだと

今更 気づいてしまった。








風磨「……ごめん……A…っ」








込み上げる感情が苦しすぎて、

泣き声に嗚咽が交じる。









……気づきたくなかった…。





……本当の気持ちに

鍵をかけたままでいたかった。

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抹茶もち \ ♪♪ /(プロフ) - わぁぁぁぁ、めっちゃいいお話ですね 感動して泣きましたヽ(;▽;)ノ紫月さんのお話大好きです!! (2016年3月22日 13時) (レス) id: f516db3a4f (このIDを非表示/違反報告)
xLuvx(プロフ) - 移行おめでとうございます!!これからも無理せず更新頑張って下さい!! (2015年6月14日 23時) (レス) id: aebc61ec1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫月華恋 | 作成日時:2015年6月14日 22時

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