キラキラヒカル③...Hikaru.Y... (ページ5)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:28,809 hit

105...(side H) ページ5

.

「八乙女先輩、」

名前を呼ばれて振り返った先に、
あいつがいることはもうない。

「八乙女先輩って意外と真面目ですよねー。
こんな面倒な仕事、皆適当にやってるのに。」

委員会で同じ場所の担当になった後輩が笑いながら言う。

そうだよな。

俺も前はそうだった気がする。

担当に毎回二人もいらねーだろ、って勝手に交代制にしたこともあるし、
遅刻だって毎回のようにしてた。

適当に水撒いて、直ぐ教室に戻ってた。

担当の日は欠かさず毎回やってきて、
世話をしている花が成長してれば嬉しくて、

弁当持ってきて昼休みが終わるまで一緒に話をするなんて、きっと俺とあいつだけだった。

あれからAと顔を合わすことは全くと言っていいほどに無い。

校舎も学年も違う。

委員会という繋がりが無ければ、
お互いの姿を見つけることだって稀だ。

連絡先は知ってるし、
全く連絡が取れないというわけじゃなかったけど。

何の用もなく連絡をし続けるのは、さすがの俺でもあまりに無神経なんじゃないかと思えて。

このまま、Aとの接点を失って、
離れていってしまうんだろうか。

そう思うたびに胸が痛む。

自業自得なのに。

そうやって一丁前に傷付きはする自分に、心底呆れる。

.