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そっか。
先輩は行ったことがあるのか。
しかも前の彼女と。
この辺じゃ有名なスポットだったから、
当たり前といえば当たり前、か。
A「…なーんだ、お店知ってるなら一緒に行きましょうよ。」
光「そ、だから俺は行けな……って、え！？」
A「別に、前に行ったことがあるってだけですよね？それでなんで行けない、とかなっちゃうんですか？」
光「いや、だって…え、おまえ嫌じゃないの？」
A「……八乙女先輩。」
光「な、なに？」
何度か先輩と出掛けて、分かったことがある。
先輩は以前に彼女と行った場所や、思い出してしまうような繋がりのある場所は避けて通ろうとする。
それはきっと、私に気を遣ってのことだろう。
私が、嫌な思いをしないように。
だけど、そんなの今更なんだ。
私が今まで、どれだけ先輩の彼女の話を聞いてきたと思ってるの。
A「先輩が私に気を遣ってくれてるのは分かります。
でもそうやって前の彼女のこと、いつまでも気にしてたらどこにも行けなくなっちゃいますよ？」
光「それは……、」
A「私は先輩と出掛けられるの、嬉しいです。場所がどこだって、嫌だなんて思いません。」
光「A……。」
A「それでも、どうしても先輩が前の彼女を思い出してしまうなら……、」
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作者名：環
| 作成日時：2019年7月17日 22時
