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A「八乙女先輩、お願いがあるんですけど。」
光「んー？」
A「このお店、一緒に行ってくれません？」
持ってきた雑誌に載っている、話題のカフェを指差した。
そこにある写真にはシンプルで可愛らしいお店の外観が映っている。
A「知ってます？ここで期間限定のコラボセット頼むと、おまけでグッズがもらえるんです。」
光「…あー、ああ。うん。」
A「それでこの間、友達と一緒にお店入ろうとしたんですけど、めちゃくちゃ混んでて。
並んで待ってたんですけど、なんていうか、居づらすぎて入る前に帰ってきちゃったんですよね…。」
光「まあ見渡す限りカップルばっかりだもんな。」
A「あれ？詳しいですね。」
光「………………行ったことあるから。」
A「…………なるほど。」
雑誌にも、『恋人同士でお揃い』とか、『二人で是非どうぞ』とか、いかにもカップル向けのように書かれてあることには気付いていた。
でも、まさか本当に同性同士で来てる人が、一組も見当たらないとは思わなくて。
私と先輩は恋人というわけではないけれど、
折角だから行ってみたいというのもあったし。
周りのカップルの雰囲気に飲まれて、少し進展したりしないかな、なんて打算もあった。
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作者名：環
| 作成日時：2019年7月17日 22時
