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侑李「何、その顔。」
A「別に。なんでもない。」
眉間に皺を寄せた侑李が私の顔を覗き込む。
たぶん侑李以上に、
私の眉間には皺が寄っていたはず。
侑李「人が折角色々教えてあげてるって言うのに、その顔はないよね。」
A「……すみません。」
侑李「さっさと次やりなよ。」
はあい、と気のない返事を投げて、
再び目を1枚のプリントへと戻した。
カラン、と侑李の入れてくれたお茶の中で氷が溶ける。
それと同じように、私の心の中で起きている理解不能なしこりも溶けてくれればいいのに。
A「侑李ー、」
侑李「…何。」
A「今週末は？」
侑李「研修。」
私の課題を見やりながら、答える侑李。
ちらりと此方へと向けられた視線は、
早く課題をやれ、と言っている。
見慣れた侑李の部屋を背景にして、学生らしく課題と向き合ってみても何かモヤモヤとしていた。
A「…忙しーんだね、最近。」
侑李「まあね。4年生様は大変なんだよ。」
A「…なにそれ、えらそー。」
侑李「偉いんだよ。こーやって中々お勉強の進まない彼女の手伝いもしてあげてさ。」
それより早く、と侑李は私の手元に羅列している文を指差した。
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作者名：環
| 作成日時：2018年12月18日 15時
