フェイクラバーズ…Yuri.C (ページ26)

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後日、侑李たち、数名のバイト仲間の送別会が滞りなく行われた。

未成年集団が何かやらかさないか懸念もしていたけれど、パートのお母様方が目を光らせていたおかげでそれはもう杞憂に終わった。

主役は意外にも涙を滲ませていて、
――と言っても、それは薮さんと女の先輩の2人だけだけど。

彼等にとって、この店で過ごした時間が濃かったということを表しているのだろう。

斜め向かいの席を眺めながら、そんなことを思った。

まあ、侑李は全く泣いていなかったけど。

最後に主役たちの軽い挨拶を終えて居酒屋を出る。

会は終わったというのに名残惜しさからか、店先で数名の足が止まっていて何やら騒がしい。

別れを惜しむ声、
彼等の門出を祝う声。

その中心で侑李と大貴が話している。

流石に今日は侑李と一緒に帰ることもないか、と
横目で彼等を盗み見た。

大貴は…彼女と帰るのだろう。

だけどその彼女は、今日の主役の一人でもある女の先輩に随分と可愛がられていたし、

もしかしたら、これから揃って二次会にでも行くかもしれない。

そう思って、パートさん達の横を、お疲れさまでした、と会釈をしながら通り過ぎ、その集団から離れようとした。

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