フェイクラバーズ…Yuri.C (ページ21)

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それまで、私の存在に気付いていなかったわけではなかっただろうに。

なんだろう。

侑李が彼等の誘いを断った今、やけに自分の存在がその場で色濃くなった気がした。

山田「あ、わり、…先約？」

中島「良かったら一緒においでよ！大ちゃんと同じバイトの人でしょ？Aさん、だっけ？」

物珍しげに私を見やった山田くんと中島くんがそう言った。

或いは、彼等においては、
ここで漸く私の存在に気付いたのかもしれない。

私に気を遣ったのか、
そうまでして侑李を山田家に誘致したいのかは分からないけれど、とにかく新たな可能性が出てきたわけで。

この期に及んで、大貴と仲良く遊べと言うのか。

正確には、皆で、と言うべきだけれど、
そんなことはどうでもいい。

つまり、これで彼等について行って、何が起こるかと問われれば答えは簡単だった。

これ以上、
大貴に惚れ直させてどうするつもりだ。

侑李「いや、だからいいんだってば。」

思わず眉間に皺を寄せていた私の言葉、

ではない。

それは侑李の言葉だった。

またも、私は侑李を見やった。

恐らく私だけではなくて、
その場にいた誰もが。

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