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A「侑李は？店長に言うの？」
侑李「…まあ、そうだね。聞かれたら？自分から言うのも、なんか。あれだし。」
A「ふーん。じゃあ私もそうしよーっと。」
彼氏彼女の会話。
うん、ちょっとそれっぽい。
なんて、そんなことを思いながら
私たちは静かな暗がりの道を歩く。
恐らく、私たちを目にした全ての人達に、
私と侑李は、それなりに彼氏彼女っぽく映っていたはずだった。
バイト内でも、きっと大学でも、
侑李を狙っていた女の子はいて。
どうにか接触をはかっていた
女性陣たちからの視線は特に痛かった。
侑李は、傑作だね、と鼻で笑っていたけれど。
A「そういえば、来週。送別会、だね。」
侑李「そうだね。面倒くさいだけだけど。」
A「…送る気無くすんですけど。」
少し前までは、バイト上がりに歩いてゆっくり帰るなんて拷問だ、と思えるほどに気温が低かったけれど、3月にもなると随分と暖かく感じられるようになった。
それでもまだ朝晩は冷え込んでいて。
悴む指先を擦り合わせていると、侑李が自販機に寄って暖かいミルクティーを買ってくれた。
A「奢ってくれるなんてめずらしー。明日雪でも降るんじゃない？」
侑李「…奢る気無くすんですけど。」
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作者名：環
| 作成日時：2018年11月3日 16時
