フェイクラバーズ…Yuri.C (ページ19)

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結局、そのまま視線を画面へと戻した彼から答えが返ってくることはなかった。

次に侑李が口を開いたのは、パタン、と軽く音を立てながらパソコンを閉じて立ち上がったときである。

侑李「終わった。帰るよ。」

その、あまりに一方的な物言いに
唖然としてしまった。

「あれ、知念じゃん！」

そうして侑李の一歩後ろを歩きながらカフェを出たところで声を掛けられた。

その声は私もよく知っているもので、顔を其方へと向けてみれば、やっぱりよく知った顔が其処にあった。

侑李「……大貴。」

山田「あれ、知念まだバイト辞めてねーの？」

侑李「……何してんの、そっちは。」

其処にはやはりというか、大貴がいて。

彼の後ろから、侑李と親交の深いゲーム仲間達が此方を見つめていた。

山田くんと中島くん。

バイト先にお客さんとして来たことがあって、侑李と大貴とはしょっちゅうゲームをする為に集まっている。

中島「あー、これからヤマん家行こうと思ってさ。ちょうど会ったとこ。」

中島くんが事の次第を報告すれば成程、彼等は今集まったところで、岡本くんも合流予定らしい。

しかし、それならば大貴は、彼女を放っておいていいのか、と要らぬ心配をしてあげる。

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