イエスorイエス②…Daiki.A… (ページ47)

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小さなそれを取り出そうと試みると、そのマトリョーシカから、何かが転がる音が指に響いた。

大貴「Aは、俺にうちの鍵を返しても、俺からは自分の家の鍵をもらわないままにしてたり、お土産の中身ちゃんと見てなかったり、ドンくせーとこあるでしょ。」

その更に小さな人形の上の蓋をそっと開ける。

中には銀色に輝くリングがキラリと光を放ち転がっていた。

大貴「そういうとこも含めて、全部好き。

こんなタイミングになっちゃったけど、
俺と一緒に、幸せになって？」

気付けば真後ろから声が聞こえて、
ゆっくりと振り向く。

すぐ傍に大ちゃんが立っている。

優しさと愛しさに満ちたその目に見つめられて、
胸の奥が熱くなる。

その苦しさの中の、隠し切れない歓喜に、じわりと目に涙が込み上げてきた。

震える手から銀の環を取ると、
大ちゃんはそのまま私の左手を握った。

環の中心には煌びやかなダイヤの結晶が輝き満ちている。

薬指を掴まれて、ハッと顔をあげた。

A「大、ちゃん、」

うまく言葉が見つからない。

ただただ、感極まって潤んだ瞳で彼を見ると、視線を返すように大ちゃんは私を優しく見つめて口を開いた。

『返事はイエスか、はい、で。』

イエスorイエス

END
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