イエスorイエス②…Daiki.A… (ページ39)

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大貴「ねえ。なんであんなことすんの。」

強い眼差しで瞳が捉えられる。

引き摺り込まれるように大ちゃんから目を離せなくて、ごくりと唾を飲み込んだ。

大貴「ツアー先から電話かけたら繋がんねーし、いくらメッセージ送っても既読にもなんねーし。
家帰ってポストに鍵あるし荷物はねーし、挙句の果てにあの置き手紙。
……コップも割られて捨てられてるし。」

ぐるぐると胸の中に渦巻く痛みやら緊張で、言葉が浮かばず戸惑っていると、言葉を切った大ちゃんが顔を俯かせた。

大貴「される方の身にもなれって。つらくないと思うわけ？」

大ちゃんらしくない、不安と憂いを含んだ声音。
俯いた彼の顔は私には見えない。

一体どんな顔で話しているのだろう。

大貴「てか、なんで？何がダメだった？
一緒に暮らして、俺のこと嫌んなった？」

顔を上げた大ちゃんの切実な表情に言葉が詰まる。

鼻腔の奥を擽られる。

潤んだ瞳に、
胸の奥からこそばゆい感情が込み上げる。

大貴「…別れるとか、言うなよ…。」

ここまで言われて、何も言わないわけにはいかない。

そう、確信した。

だけど、いつも。

こういった場面に直面しても、

自分の気持ちを言うことができないーーー、
言えない。

そのことが、更に唇を上手く動かせなくした。

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