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63(side Y) ページ14
side>＞＞Yuya
光「あいつはハチ公か！」
荒々しく白衣を脱ぎながら光くんが一人、ぶつぶつと文句を言った。
その声を聞いて、悪態をつく光くんを宥めるように声をかける。
雄也「そもそもAと一緒に住む予定がなかったんだから仕方ないって。」
光「けどさー、」
雄也「Aの彼氏だけが悪い訳じゃねーよ。」
すっぱりと言い切る。
だって、そうだ。
雄也「Aの根性がないだけだろ。
…光くんも分かってんでしょ。
責めるなら彼氏の方じゃなくてAだ、って。」
光くんは脱いだ白衣を掴んだまま。
俺は自分の脱いだ白衣を淡々と畳んで、
鞄の中に詰めた。
雄也「今まで光くんと聞いてきた情報では、Aの彼氏は別に何も悪いことしてねーと思うし。
そりゃ彼女の家に真夜中に来るとかイカれてんな、とは思うけど。」
光「さりげなくディスってんじゃん。」
雄也「けど、時間かけてでもAん家に来たり、心配して電話してきたりさ。
自分ん家に住めばって言うのは愛あっての行動だと思うわけ。
むしろ問題はAじゃん？」
無意識なのか、白衣を握り締めている光くんに気付かない振りをして言葉を続ける。
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作者名：環
| 作成日時：2018年8月26日 15時
