51(side D) ページ2
side>＞＞Daiki
当然のように扉を開けようとして、
でも何かに引っ掛かって開かない。
「へ？…あれ？
なん、なにこれ？」
扉の隙間を覗くように見ると、
ドアロックが掛けられていた。
は？
なんで？
眉間に皺を刻んで首を傾げた。
前に此処に来たとき、
扉を開けた向こう側にAの姿はなかった。
本気で連れ去られた、なんて心配して。
まあ実際は友達の家に泊まりに行ってただけだったけど。
つーか行くなよな。
友達とはいえ、男の家とかさ。
あぶねーじゃん。
Aが俺のことを裏切るわけない。
でも、男の方はそうとは限らない。
そんなことを気にしてる小さい男だと思われたくなくて、余裕ぶって、
今日会いに来れるまでソワソワしたりして。
だけど、
目の前の扉にはドアロックがかけられている。
これでは中に入ることができない。
一体どういうことだ、と
考えようとした俺の視界に、扉の向こう。
廊下の外灯に照らされて映る自分の影の向こう側。
数センチの距離から人影がうっすらと見えた。
目を細めて暗闇の中を覗き込むと、Aが玄関のすぐそばで尻餅をついた状態でしゃがみこんでいた。
大貴「…A？何してんの？」
暗がりでAの姿はぼんやりと見えるけれど
表情までは窺えず、
細めた目の中のAをしっかりと見据えた。
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作者名：環
| 作成日時：2018年8月26日 15時
