メルトサマー②…Ryosuke.Y... (ページ40)

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アフターサマー…4 ページ40

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「今配ったプリントは去年の3年生の進路先とその合格率で、来年は進路別のクラス分けになるから今からしっかりと……、」

先生の堅苦しい話と、それぞれ小声で喋るクラスメートたちの騒々しさの中、

一人静かに寝入っている後ろの席の主は、しつこくもまた私の背に指の先をトン、とあてて、穏やかな眠りの中にいる。

そりゃ、あんたにとっては進路よりこれからの大会のほうが大事かもしれないけど、いい加減起きてくれないものだろうか。

A「…………ひっ、」

思わず背筋がぞわ、と逆立っておかしな声が出た。

その私の変な声を聞いてクラス中が私に振り向いて、先生までもが私に注目する。

「どうした、山下？」

A「あ……いえ、なんでもない、です。
スイマセン。」

しどろもどろになりながら答えると、周りのみんなにくすくす笑われて、先生にはちゃんと聞いているのか、と叱られた。

私はまた、すいません、と謝って大人しく黙る。

どうしたと聞かれても、答えられるはずがない。

ずっと微かに背中に触れていたあいつの指先が、
急にツー、と背中をなぞった、なんて。

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