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ドアを開けるなり、もあっと熱気が押し寄せ、
蝉の声に囲まれる。
空を見上げると真っ青な空に大きな雲。
夏だなぁ、とありきたりな言葉を吐き出した。
日傘を差して歩くけれど、さらけ出した手足に日焼け止めを塗ってくるのを忘れてしまい、太陽光を恐れ出来るだけ影を探し求め歩いた。
こんな中で無防備な肌をさらせば日焼けは確実だ。
部活もアルバイトもしていないのに日焼けするなんて、どれだけ遊んでいたんだと言われそうで嫌だ。
かといって、真っ白だとこいつは夏休み中家で引きこもっていたんだと思われそうで、それはそれで嫌だ。
「あーっついなぁー。」
口にすればするほど現実となってくるその現象は紛れもない暑さを連れて夏を体感させる。
通り過ぎた公園では子どもたちが無邪気に水遊びをしてびしょ濡れになり、
ずっと続いていく家々には風に揺らぐ洗濯物が気持ちよさそうにはためいている。
公園脇の長い階段をおりていくと、眼下に見えていた兄の通う高校のチャイムが聞こえてきた。
毎日昼まで寝ているせいで時間の感覚が鈍っている。
いつの間にか、お昼ご飯を食べる時間になっているようだった。
ボールがバットに当たり、軽快に響く音と小さなボールを追う力強い声が少しずつ、確かに聞こえてきて、真っ白いユニフォームが眩しくて目を細めた。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月16日 19時
