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慧「あー、部活どうすっかなぁ。転びましたで通じるかな。」
A「………あ、ごめん、そうだよね…。」
そうだ、伊野尾君だって部活がある。
大変なのはあいつだけじゃない。
どうしよう、
どうしよう、
慧「ま、どーせうちは1回戦すら抜けるかどーかも怪しい弱小部だからいーんだけどねー。」
A「そんなの関係ない！ごめん、ほんとにごめん。」
慧「………、」
伊野尾君だって卓球部で頑張っていた。
これで部活停止になんかになっていいわけがない。
そうでなくても大所帯の部活より立場の弱い卓球部で、肩身の狭い思いをしながらも、
今年こそは1回戦を勝ち抜こう、と、
頑張んなきゃなー、と伊野尾君は言っていた。
それを、
あいつの身勝手さで壊してしまうなんて、
A「ほんと、ごめん…………。」
込み上げる苦しさは、
遂に胸から、喉から湧き上がり、
ぼろりと熱く涙となって零れ出てしまった。
ここで私が泣いて、どうなるわけでもない。
むしろ伊野尾君が、泣き出してしまった私に何か言えるわけがないんだから、
卑怯だ、こんな涙は。
慧「……A、さっきからなんで謝ってんの？」
A「………え………？」
なんで………？
慧「なんで俺、Aに謝られなきゃなんねーの。
おまえが何かしたの？」
.
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月16日 19時
