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教室にクラスメートたちが次々と戻ってきて、
私の前の席の人がくると翼も席を立ち上がる。
笑顔を垂れ流していた所為か、
引き攣ってなかなか戻らない顔のまま、
ふー、と細い息だけ吐き出した。
翼「…ほんと、起きないねー？」
A「えっ？」
また一段と高い声を出して、
翼が、
私を通り越して後ろの席へと近付いていく。
いや、待って。
何をするの？
翼「山田くーん、もう休み時間終わったよー。」
私の隣で、翼は机に倒れ込んでいる頭に向かって呼び掛けた。
ちょっと。
お願いだから、私と共有していた空気を纏ったままそいつと関わるのはやめて！
翼「山田くーん？
あれ、ちょっと本気で起きないねー。」
まさか振り返れない後ろで、翼はまだおーい、と呼び掛けて、周りの子もくすくす笑ってそんな二人を見ていた。
私は可能な限り前に椅子を引いて机に肘をつき、
頻りに周りとの空気を断ち切ろうとした。
後ろで、
まだあいつを呼ぶ翼の声がする。
どれだけ呼んでも起きないあいつを、ぽんぽんと叩いてるらしい。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月8日 10時
