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涼介「まさか、電話かける前に洗い流しちゃいました、なんてこたねーだろ？」
A「……あー、あれ？あれね、うん。」
涼介「…なんだよ。」
A「えーっと…その、別に…忘れてたわけじゃなくて……。」
涼介「うん？」
A「ほら、特に用もないのにかけても、何を話せばいいのかな、とかね、色々…考えてたら、こう………ね？」
涼介「…………。」
まだ頭の中が整理しきれてないうちに会ってしまって、まったく纏まってない言い訳を途切れ途切れにこぼした。
あいつはそんな私の話を聞いているのかいないのか、急に私に背を向け持っていたお盆の上にお箸やらおかずやらを取り出す。
こいつまさか此処でご飯を食べる気か？
運動部には立派な専用食堂があるというのに？
そんなツッコミは口に出さず、私もお盆を取ってお箸を取ると、前を歩くあいつが振り返って唐突にバーカ、と罵った。
涼介「これ、おまえの。
俺こんなとこでメシ食わねーし。」
A「こんなとこって失礼な……。
ていうかそれ私の？
…いやいや、そんな食べれないし。」
涼介「たっけー寮費払ってんだから元取れ、元。」
A「無理無理！食べ盛り成長期で運動部な自分と一緒にしないで！」
私の意見はさらっと聞き流し、あいつはご飯と味噌汁もたっぷりによそって自分勝手にどんどん歩いていく。
為す術もなくその後ろをついて歩いていると、あいつはテーブルにつかずに窓を開けて外に出て、芝生の上にお盆を置いて自分もその隣に座った。
そして私に振り返り、私が座るのを待った。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月8日 10時
