私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？伍っ！【RKRN】

49 ページ49

「先輩？どうかされましたか？」

「い、いえいえ…！なんでも…！
あっ…！ここ…！！ここです！私の実家！」


彼のことを熟考しているうちに通り過ぎようとしていた懐かしき我が家の門前で私は止まり
先を行ってしまった平くんを呼び戻す


「こちらでしたかご立派なお宅ですね」

「そんな…そんな…ほんと家なんて全然…」



と謙遜しつつも前世のごく普通の民間人だった私から見ても
我が家は歴史に名を残しそうなほど立派な造りをしているため自身が恵まれた家で生まれ育ったことは重々自覚しているつもりだ

だからこうして未だに忍術学園くノ一唯一の上級生として残れているわけなのです


そんな家の大きな門を勝手に開いて中に入り
姿が見えない父と母を呼びかける




「Aただいま戻りました〜
父上〜母上〜？」




そうすればこちらへと足早に向かってくる音が木造の我が家に響き渡り私の元へと聞こえてくる
そうしてやってきたのが
家事をしていたのだと一発でわかる割烹着姿の母だった



「あらA〜！
今日だったの〜？おかえりなさい〜！」

「はい！母上もお元気そうで何よりです！」


久しぶりにみる元気そうな母の様子に私もやっと帰ってきたと安心する


母は「ちょっと痩せた？あれ待って…逆に太ったかしら…？？」なんて
とてーも余計なことを言っているけど
この母の天然さは平常運転だ

私は「変わってませんよー」と丁寧に訂正して
母の心配を減らそうと試みる


そして、私の母が見えたことで
平くんが頃合いを見て母に話しかけるのだ



「A先輩のお母上様でいらっしゃいますか

はじめまして！私！
A先輩の忍術学園の後輩で
教科の成績も一番なら実技の成績も一番！！！
の平滝夜叉丸でございます！
本日はお世話になります！」



君…誰に対してもその挨拶なのね…
すごい根性だわ…
良いと思うよ私は自己アピールって大切だよね
うんうん


ただ母が引かないようには祈る必要がある挨拶だな
なんて考えていたら
案の定、母の目は点になり平くんを固まって見ていた

違うんですよ母上！
こう見えてとても良い子なんです！！本当にっ！
と私が訂正もといサポートしようと彼の挨拶に言葉を付け加えようとしたその矢先

固まっていた母はアワアワと驚き出しては大きな声を出し始めた


「…！？！！？
お父さんっ！！！あのAが男の子連れて帰って来ましたよっ！？！
しかもお顔が整ってるっ！！
なんかっ！！すごく！！整ってる子です！！」

お知らせ→←48

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す