私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？伍っ！【RKRN】

29 ページ29

不破達が二人でそんな話をしているとは露とも知らず、Aは未だ鉢屋の背で眠りについており
そんなAをおぶっている鉢屋は目的の第四チェックポイントに到達したことでようやく息を落ち着かせることができた



「はぁぁ…ようやく着いたか…」


しかし、忘れてはならないのが
これが肝試しの最中であるということと
先生達の存在である






「その様ですねぇ…鉢屋三郎くん…？」




ねっとりとした声がし
ぼんやりと怪しい光が鉢屋の隣に来ていた


鉢屋が隣を見ればそこに恐ろしい顔が
明かりによってきみ悪く照らされているではないか










「うおっ…！？！！安藤先生！？！！！？」

「Aくんをおぶって【マラソン大会】に参加してるくらいで息を荒げるなんて
君の力は【まだそんなもんかい】
【マラソン大会】…なんちゃって〜！！」

「は…はは…」








第四チェックポイントで待ち伏せていた一人は
Aが所属している会計委員会の顧問
安藤先生だった

安藤先生はいつものように
ご自分ではとても面白い素晴らしいと思い込んでいる親父ギャグを自分で笑っているが
それを聞かされている鉢屋はたまったもんじゃない！！！と思わず口角が引きつる





もちろんそれは久々知も竹谷も同じで
直接の被害は避けれたが思うところがある久々知の本音が飛び出す




「終わり側で疲れている時のチェックポイントに
安藤先生は正直勘弁してほしい」

「本当だよなぁ…
あの親父ギャグに付き合わされるなんて…
ここが今までの中で一番きついチェックポイントだよ…」


とほほと竹谷が久々知の本音に同意し
これからここに向かってくるであろう後輩達が気の毒だと肩を下げた







「君たちはまだマシだと思うがね…
それに何度も付き合わされる私に比べれば…」


「「の…野村先生！？！！」」






そんな久々知たちのもとに突如として
二年い組の実技担当教員である【野村雄三】先生が
いつもの様にため息をカッコをつけ、キザに吐いていた




「な…なんか…先生方だけ驚かし方が
肝試しのそれと少し違う気がするんですけど…！」

「君たち上級生を肝試しの要領で驚かすより
こちらの方が驚くじゃないか」

「そ、それでいいんだ…」

30→←28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す