私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？伍っ！【RKRN】

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そんなことばかり考えてた僕には
Aと勘右衛門が話している内容は全然耳に入っていなかった


「勘右衛門…怖いよ…手握って…？」

「うわ珍しい！？お前が人に甘えるなんて！！
本当にダメじゃん…

いやぁ…でも両手塞ぐわけにはなぁ…







…兵助にでも握ってもらう？」


「ぜったい！！！！！無理！！！！！！！」

「言うと思った…なら…



【雷蔵】！！！！！！！」

「っ…！？な…なに？？勘右衛門？」


突然名前を呼ばれてハッとした
ダメだよね
そんなこと考えてちゃ
学校行事なんだしちゃんとやらなきゃ


慌てて勘右衛門の呼びかけに応えれば
勘右衛門は僕に向かって手招きをし
こっちに来いと口にはしないがそう言っている

なんだろう？と思いながらも
理由はわかったけど隣にいるAの暗い顔が気になるし
急いでそばに寄る


「悪いんだけどさぁ…Aの手握ってやってくれない？？」

「えっ！？僕が…！？」

勘右衛門がなんでそんなことを言い出したのかはわかる
おそらく灯りが側にあっても
Aは怖いんだと思う
でも突然そんなこと言うから驚いちゃった

僕じゃなくて同じ組の兵助とか
それにAと手を握りたいって言い出しそうな八左ヱ門だっているのに…






…いやダメだな
そうなったら絶対あいつ集中しなくなる


「お前、Aと友達だろ？」



それは勘右衛門も一緒じゃ…
あ…でも前にAが…




僕が頭の中でぐるぐると思考を回してる時
ふと勘右衛門の横にいるAの顔を見て
その思考は止まった





…そんなこと言ってる場合じゃないよね



A泣き出しそうな顔をしてるもん



早くなんとかしてあげなきゃ




「…わかった
A？大丈夫？」

「らいぞうくん…」

「もう〜だから…さっき大丈夫って聞いたのに〜」

「ごめんなさぃ…」



僕が声をかけて
Aが瞳が溢れそうなくらい
うるうるとしていた

そんな顔してたら怒る気もなくなるな
最初から起こってたわけじゃないけど



「ほら手貸して」

「なるべく離さないでね…？」

「わかった約束する」


僕が手を差し出せば
Aはすぐに僕の手をぎゅうと強く握りしめて
上目遣いでそう強請ってくる


ふふっ…なんか子どもみたい
妹がいたらこんな感じだったのかな？


でもAは…





Aは妹とは違う気がする
それは嫌って言うか…なんて言えば良いんだろう





やっぱり【友達】だからなの…かな…？

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