私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？弐っ！【RKRN】

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火薬庫前で大人数が行き交っている
もう日が完全に落ちきり、灯りを頼りに皆集まる
一刻の猶予もないため
その場の空気はピリついていた


「土井先生準備完了しました」

「よし…！！
二人とも危ないから扉から離れていなさい！」


そんな中、土井半助の指示を受けた食満留三郎が火薬庫の扉に縄を括り付けこれからの作戦開始を示唆する

土井はその合図に頷き
中にいる池田三郎次とAAに大声でこれからに備えるように伝える



「わかりました…！」


少し元気はなさそうだが、先程の時よりも明るいAの声色を聞いた久々知兵助はほんの少しだけホッとした

そんな久々知の横をAが所属している会計委員会の委員長である潮江文次郎が通り過ぎ
これから引っ張る扉に手を当て
息を深く吸い込む


そして


「A！！今助けてやる！！！！！
だから待ってろ！！！！！！！！！」


それは心から後輩を思いやっているという証だった
少しでも安心させてやりたい
潮江なりの不器用な優しさ
そして愛情でもある

久々知はその潮江の背中を見て痺れた
そして、自分の体も気付けば勝手に潮江と同じような行動を取る


「三郎次！！あともう少しだ！頑張れ…！！！」


潮江のようにどっしり構えて言うことは久々知にはまだできない
それでも【先輩】として【後輩】を思う気持ちは久々知だって負けていないのだ



「潮江先輩…！」
「久々知先輩！」



そして、二人の思いは震える手を隠すように手を握りあっていた扉の中にいる二人に届く
そんな二人に名前を呼ばれた以上【先輩】は頑張らなければならない


「…行くぞ、久々知」

「…はい！」


彼らは扉に背を向け
己が後輩を助けるため
縄を取る


覚悟の決まった二人の顔を見た土井も食満もその背中を見てから
二人は頷き合い、各自自分の持ち場へと飛ぶ
それに伴いその場にいる全員が縄を手に取り構え始める



「それでは学園長先生、始めます」


そして、土井は学園長である大川平次渦正の横に降り立ち、本当の作戦開始を告げる


「うむ…皆！！！聞け！！！！！

もはや日が暮れた今！！！！
一刻の猶予もないっ…！！！！！！

己が同胞を救うためっ！！！！！

この時に力の全てを尽くすのじゃ…！！！！
用意は良いか…！！！！！！！
では…

















引けー！！！！！！！！！！！！！！！！！」




学園長の言葉により怒号に近い
掛け声が学園に響き渡る
そして、硬く閉ざされた扉を揺らすのだ

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