・ ページ9
「教科書…部屋に置いておくと、場所とる、って言ってたから…後輩にあげれば良いかな、って思ったんだけど」
北山先輩はそう呟くと、今まで真顔だった藤ヶ谷さんが笑顔になった。
「そういう事か」
「いや、別に、その。勝手に思い付いただけだから、」
「ううん。…マイコちゃん、迷惑じゃなかったら譲れるんだけど、大丈夫？」
「えっ、あ、はい！」
話の展開が全く読めていないのは私だけなようで、藤ヶ谷さんに笑顔を向けられて、その美貌に眩暈がしてくるようだった。
花が咲いているだけじゃなく、蝶まで周りに飛んでいるような可憐さだ。
「じゃあ、明日でも北山に渡すね」
「はい、ありがとうございます。」
訳も分からないままこの超絶美人に教科書を貰えることになり、訳も分からないけれど感謝を述べると、強い風が吹き抜けた。
風に乗って藤ヶ谷さんの綺麗な巻き髪が揺れた。それを華奢な手が抑えた一連の流れがあまりにも美しくて思わず見惚れてしまう。
ぼーっと藤ヶ谷さんを眺めていると、突然玉森さんが吹き出した。
「…ふはっ、待って、ミツとマイコちゃん同じ顔してる」
「へ？」
「そんな熱い視線でガヤのこと見ても何も出てこないよー」
ぽんぽん、と優しい笑みを浮かべた玉森さんに頭を撫でられ、ボっ！と体温が一気に沸点に達した。
美人に見とれていたら、美人に頭を撫でられて…
キャ、キャパオーバーです…゛
「マイコちゃん何かフリーズしてね？大丈夫？」
「う、あ、もうお腹いっぱいです…」
「え？何お腹いっぱい？」
4人のイケてる先輩に囲まれて、もう私の脳内のHDDはパンク寸前だった。ぷしゅー、と煙が上がっている私の様子に、藤ヶ谷さんは楽しそうに笑っていた。
美しい…
やはり見惚れていると、藤ヶ谷さんは北山先輩に向き合った。
「もう授業無いから帰るけど、北山は？」
「いや、まだ3限あるから」
「じゃあ先帰ってる」
「おう。俺、夕飯のもの買い物して帰るから」
そんな2人の会話する様子に、“藤ヶ谷”さんという珍しい苗字をどこで聞いたのか思い出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 621人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
魚(プロフ) - xxxさん» コメントありがとうございます！高嶺の花シリーズ、本当はシリーズ化する予定ないまま書いたのですが意外と皆様から好評で嬉しい限りです…｡ﾟ(ﾟ＾ω＾ﾟ)ﾟ｡まだ完結はしておりませんので、気が向いたら書かせていただきますね！ (2019年9月7日 13時) (
レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - もっともっと続きを読みたいです！これからも頑張ってください！ (2019年9月7日 8時) (レス) id: 56bd14aad5 (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - 初めまして。高嶺の花シリーズ大好きです。 (2019年9月7日 8時) (レス) id: 56bd14aad5 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - たいちゃんらぶさん» どれもこれも超未完成な中途半端な状態だったんですが、下書きにしておくのも何だかなあ…と思い、公開してしまいました…|･ω･`) いつも適当な更新スタイルですみません！笑 気が向いたらシリーズ化していきたいと思っております〜！ (2019年7月2日 23時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - あんさん» お返事遅れてすみません｡ﾟ(ﾟ＾ω＾ﾟ)ﾟ｡！あんさんの作品を読んでいて、Kさんの方がFさんに対する独占欲強いんだろうな、と思い、Tくんと居るところを見てめちゃくちゃ嫉妬する…っていう展開を考えて書かせて頂きました笑 (2019年7月2日 23時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：魚
| 作成日時：2019年4月14日 1時
