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俺と北山のただならぬ雰囲気に、ベットに寝ていた女はいつの間にか服を着て、北山の足を止血している間に部屋を出て行った。
スマホで調べながら見よう見まねで手当ては終えたものの、こんな適当で良いのかと不安になり、救急病院に行かせようとしても北山は頑なに拒んだ。
「嫌だ。今離れたら二度と会えなくなる」
「それとこれとは話がちげーだろ」
「じゃあ、会ってくれるの？」
北山の瞳はいとも簡単に不安で揺れた。
何でお前が泣きそうなんだよ。
浮気したのはそっちだろ。
「ごめん、本当にごめん」
そんな体勢をしたら足が痛むだろうに北山はフローリングに土下座をして謝って来た。
「本当にごめん」
「やめろよ、」
「別れたくない」
そう言い張る北山の瞳は濡れていて、まるで俺が悪いみたいに思えてくる。
じゃああの女は何だったわけ？
俺への当てつけかよ。
俺とじゃ何の生産性も無い未来しか見えないとでも言いたいのか。
「本当、酔った勢いだった。今日同窓会があって、」
ぽつり、ぽつり、と北山が真実を話していく度にまるで刺し傷が増えて行くような感覚だった。
「もう良いよ」
「…ごめん」
「俺、北山がどんな最低な事しても、嫌いになれないよ」
「…え？」
ねえ、俺たちはどうしたら良い？
北山は、どうしたい？
「藤ヶ谷が好きだよ」
「違う。お前の好きと、俺の好きは違う。分かってない」
前からそう感じていたのは事実だった。
北山から勿論愛情は感じられるけれど、それは自分のものとは違う類のものだということを。
どうしてそう思うのか、と問われれば上手く答えられないけれど、北山は俺との関係に終わりを見出していると思う。
だから平気で浮気もするし、水商売の店にも行く。男である俺と付き合っているから、異性はセーフとでも考えているのだろうか。
「俺は別れられない。北山しかいらないから。だから、別れるならお前から俺のこと捨ててよ」
「…そんな事、思ってねえよ」
「ふは、嘘つき。でも良いよ、許してあげる」
今までのことも、と付け加えると北山は目に見えたように動揺した。
こうして現行犯で晒し上げたのは初めてだったけれど、浮気の証拠を今まで何度見逃してきたことか。
腕を引き寄せて抱きしめると、北山は狼狽えた。
「ねえ、俺たちいつまで一緒に居られるかな」
この生産性の無い未来に、ハッピーエンドなんて来ない。
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魚(プロフ) - xxxさん» コメントありがとうございます！高嶺の花シリーズ、本当はシリーズ化する予定ないまま書いたのですが意外と皆様から好評で嬉しい限りです…｡ﾟ(ﾟ＾ω＾ﾟ)ﾟ｡まだ完結はしておりませんので、気が向いたら書かせていただきますね！ (2019年9月7日 13時) (
レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - もっともっと続きを読みたいです！これからも頑張ってください！ (2019年9月7日 8時) (レス) id: 56bd14aad5 (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - 初めまして。高嶺の花シリーズ大好きです。 (2019年9月7日 8時) (レス) id: 56bd14aad5 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - たいちゃんらぶさん» どれもこれも超未完成な中途半端な状態だったんですが、下書きにしておくのも何だかなあ…と思い、公開してしまいました…|･ω･`) いつも適当な更新スタイルですみません！笑 気が向いたらシリーズ化していきたいと思っております〜！ (2019年7月2日 23時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - あんさん» お返事遅れてすみません｡ﾟ(ﾟ＾ω＾ﾟ)ﾟ｡！あんさんの作品を読んでいて、Kさんの方がFさんに対する独占欲強いんだろうな、と思い、Tくんと居るところを見てめちゃくちゃ嫉妬する…っていう展開を考えて書かせて頂きました笑 (2019年7月2日 23時) (レス) id: cc0d16b1ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2019年4月14日 1時
