魔王の勇者 (ページ12)

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魔王城での生活ページ12

魔王城での生活は思っていたより快適だった。食事は日本で言う洋食だけだが人族と変わらないし普通に美味しい。ベッドの質も中々良い上に部屋もそこそこ広く、正直持ち物が無い今となっては持て余している。日本にいた頃の持ち物を持ってこれたらどれだけ良かっただろうか……。これも客人としての扱いだろうが受けられる間は受けよう。

「それにしても暇だな……。」

　ここでの生活は最初こそ見慣れないものも多く周りの人々の角や翼に驚いていたけれど三日目には慣れた。人間やることが無いと駄目になりそうだ。寝るのもいいけど何かしらのやる事を見つけたい。

「そうだ！」

　湖に落ちた時サラッと確認したスキルの中に〈異言語理解〉〈異文字文法理解〉というパッシブスキルがあった。その他に成長率や基本ステータス増加系のパッシブスキルもあった事も確認した。

「やっぱり戦闘とかのスキル欲しいよな、異世界だし。魔法だって存在してるし。」

　少しワクワクしながらスキルを確認する。

「そういえば何気なく確認してたけどこのゲーム画面っぽいやつ意識すると出てくるみたいで便利だな〜。スキルの習得法とか出ないかな〜なんて……」

　すると画面が変わって文章が現れた。

『すみません！伝え忘れてましたが、スキルはその事柄に関することを試してみれば手に入るようにしておきましたので色々試してみてくださいね! PS:愚痴を聞いてもらう時は事前にこんな感じでお知らせします。ウィレーヌ』

　な、なんだと？

「も、もう少し早く教えて欲しかったな。」

　苦笑しながらそう呟いてしまう。

「とりあえず剣と魔法は必須だよね!」

　早速練習する事にする。だがいざやろうと思っても木剣も木刀も無ければ魔法に至ってはアニメとかのイメージしかない。誰かに教えて貰えないだろうか？

　そして剣術か魔法を教えてもらうため部屋を出て人を探す。そして近くにいた騎士さんに声をかける。

「あの、今いいですか?」
「あぁ、はぐれ勇者か。どうした？」
「僕に剣か魔法を教えて貰えませんか?もし時間が無いなら訓練用の木剣がどこかで借りれる場所を教えて貰えませんか?」
「なるほどな、剣なら訓練場に行くといい。訓練中の騎士達が居るだろうからそいつらに教わってくれ。魔法はそうだな……一番は魔王様だがまずは魔力を感じ取るところからだし最初は瞑想でいけるって聞いたことがあるな。まあ頑張れ。」
「ありがとうございました。」

　よし、訓練場に行こう。