15-�� 我慢できない ページ22
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2016年6月
E-girlsのライブと並行してHiGH&LOWのリハが開始した。
ピークで忙しくなる、とマネージャーに前々から言われてはいたが、あまりの目まぐるしさについていくので必死だった。
忙しくて、これからのことを考える暇もないくらいで、心の中の澱は溜まっていった。
毎日ほとんど眠れなくて、でも仕事はパンパンで、体調管理も仕事のうちって口酸っぱく言われているからサプリでなんとか繋いだ。
そして事務所をあげて開始したHiGH&LOWのプロジェクトの一環、夏の大型音楽番組のHiGH&LOWスペシャルステージにE-girlsも、そしてTHE RAMPAGEも出演することになった。
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7月
幕張メッセの控室。
E-girlsの楽屋はいつも熱気に満ちていておしゃべりがすごい。
「Aメイク早くいきなよ？」
「あ、うん。」
萩花さんに促されてメイクを始めると、メイクさんに「クマすごいですねぇ」と言われた。
「寝れてます？」
「あー…、あんまりなんですけど…」
「そう。ファンの人はよく見てるから、気づかれちゃうよ？」
「……」
「ま、それを隠すのが私の仕事なんですけどねー。」
「…そんなに、すごいですか？」
「まぁそうですねー、血色も悪いし、チーク多めにしときます？」
「まぁでも別に…」
「だめだめ。Aちゃんセンターで踊るんでしょ？夏恋ちゃんなんてピンクのチークすごいいれてますからねー。」
語尾すごい伸ばす人だなと思いながら、メイク中に瞳を閉じた。
「…出来ましたよー。」
「わ、…ありがとうございます。」
「ちゃんと寝るんですよ？」
「はい。ありがとうございます。」
「あげるこれ。さっきそこで買ったんだけど、Aちゃん甘いもの必要って顔してますからねー。」
「…これ」
桃のネクター
武道館で2年前に樹くんに会った時、彼が飲んでた。
「これ飲んで元気出して、わたし見てますからねー。」
「……ありがとう、ございます」
少しだけ水滴のついた缶を受け取って、椅子から立った。
どうしようもない気持ちが心臓に迫ってきて、手が震えた。
どうしようもなく彼に会いたい
きっと言ってくれる。
ちゃんと寝てるの、と怪訝そうな顔で顔を覗き込んで、無理しすぎって呆れたように言いながら手を伸ばして、身体を引き寄せて、抱き締めてくれる、そんな気がするのに、
そんなこと起こるわけないって気づいて自分がバカバカしくなって、瞳を閉じた。
相変わらず楽屋はうるさかった。
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蘭の花(プロフ) - ちょこちっぷさん» 嬉しいお言葉…ありがとうございます。私にとっても大事なこの作品が何か響いていたら幸いです(^^) (2020年3月25日 0時) (
レス) id: 517b3b5b29 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこちっぷ(プロフ) - 久々に占ツク開いて初めに読んだ作品がこれでよかったです。占ツクで沢山の作品を読んできて、泣いたのはこれが初めてです。この作品を読めて幸せです。 (2020年3月23日 0時) (レス) id: cf6328cb96 (このIDを非表示/違反報告)
Knnnnn(プロフ) - ガッツリ書いても全然大丈夫です！読みたいです！ (2019年11月3日 13時) (レス) id: 8d750d6dbf (このIDを非表示/違反報告)
cocona(プロフ) - 全然大丈夫です！！読みたいです！！！ (2019年11月3日 4時) (レス) id: 6508ac86aa (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 書いて大丈夫です！！逆に書いて欲しいです！！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: c8d254b03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2019年9月27日 19時
