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E-girlsのライブ初日の前日に、会場であるマリンメッセ福岡に入った。
前日なので、衣装ありのゲネプロを行った。
衣装に着替えるとテンションが上がっていつもリハから体力を消耗しすぎるのがわたしのお決まりのパターンだったが、今日はなんとなく、無気力で。
「A今日元気ない？」「テンション上げよ！！」「辛かったら休んでてもいいよ」「Aだったらガチで練習しなくても本番行けるよ〜」
「いや、…大丈夫」
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『周り見下してそう』『才能あるよね』『あーいう人見てると、自分が惨めになる』
汗が背中に一筋、たれた。首にかけたマフラータオルで顔をぬぐった。
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ゲネプロが終わってホテルに帰る。
部屋に入る時、隣の部屋の希が一瞬振り返って、
「A、ちゃんと寝なね」
「うん。ありがとう」
無理やり笑った。
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部屋に入ってシャワーを浴びて、ふと携帯を開くと、明日からツアーが開幕するからかラインが色んな人から来ていた。
『無理してない？』
「……」
彼からのメッセージは一言で。
なんで彼はいつも…
『エスパー？』
返信は早かった。
『福岡にいるの？』『いるよ』『リハ終わり？』『うん』『もう寝るの？』『寝る』『嘘だ』『なんで？』
そこまで打って、画面が切り替わった。
11:49 P.M.
通話ボタンを押して携帯を耳に押し当て、そのままベッドに倒れ込んだ。あー…、このまま寝れそう、とか思った時、躊躇いがちな声が耳に飛び込んできた。
「…寝てないよね？」
「…寝てません」
「これから練習する気だったでしょ」
「……なんで」
なんで？
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あの日の夜、バスで泣いた時の気持ちが胸によみがえった。
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「…なんで樹くんはいつも…っ」
「………」
「……、」
「…Aちゃんさ…泣いていいんだよ」
胸が熱くなった。涙が1粒、頬に転がった。
頬に手をあてて涙をぬぐっても、また1粒、また1粒と溢れてくる。
「…この前さ？Aちゃん…色々言ってたけど…
俺はまだデビューしてないし…Aちゃんの気持ち完全に分かるわけじゃないんだけど、でも…ファンの子はAちゃんが楽しんで踊ってるのが1番…見たいんだと思うし…
頑張りすぎるのはAちゃんのよくない癖だと思う」
変わらない言葉をくれた
彼の優しさは、曇った心に差し込む一筋の光のようだった。
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蘭の花(プロフ) - Lさん» 気づくのが遅くなりました汗 本当の小説のようなんて本当に嬉しいです。今後もまだまだ続くので、ゆっくり読んで下さいね(^^) (2020年5月8日 18時) (
レス) id: edbf778f76 (このIDを非表示/違反報告)
L - 今まで読んでいた夢小説の中で1番文章がしっかりしていて、言葉選びもほんとの小説のようですごく感情移入して読めました。この先どうなるのか気になってしまい、一気に読んでしまいました。続きも楽しみに読ませていただきます！ (2020年4月29日 20時) (レス) id: 3835f70abc (このIDを非表示/違反報告)
蘭の花(プロフ) - h_r_k_yさん» ありがとうございます(^^) (2019年9月23日 14時) (レス) id: 517b3b5b29 (このIDを非表示/違反報告)
h_r_k_y(プロフ) - 一気に読んでしまいました^ ^更新楽しみです！ (2019年9月23日 13時) (レス) id: 4d2b3f43a7 (このIDを非表示/違反報告)
蘭の花(プロフ) - ひかるさん» ありがとうございます(^^) (2019年9月14日 20時) (レス) id: 517b3b5b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2019年8月23日 21時
