#70 高橋海人 ページ24
･
＊「Aでしょ？」
『えっ……』
＊「おばけじゃないよ 笑」
おばけじゃないらしい。
そしてこの声は……
私はカーテンの中から出た。
窓から差し込む月明かりに照らされた
海人くんの顔。
でもいつもの明るい顔ではなく、
目に悲しい影がよぎっていた。
『海人、くん……』
海人「今日、ありがとね。
一緒に回ってくれて」
『ううん。こちらこそ』
海人「最後にこれだけは言わせて。
ずっと好きでいさせてくれて嬉しかった」
ん？最後？
しかも過去形じゃね？
海人「ずっと考えてたんだ。
どうなることがAにとって1番いいのか」
『え……？』
海人「僕以外のキンプリがAのこと
好きって、気づいてた。
岸くんなんかは今日からだって言ってるけど
本当はずっと前から好きだったと思う。
わかるんだ、僕もAのこと好きだったから」
好きだった……？
海人「廉は僕より前からAのこと
知ってて、Aのことを話す廉は
いつもと少し違った。
なんというか、よりｷﾗｷﾗしてた。
だから、廉のことが好きだったAには
廉と幸せになってほしい。
心からそう思ってるよ。
だってずっと両片想いだったんだもん。
僕が入る隙なんか1mmもなかった」
『海人くん……』
海人「だから、今日は最後の思い出として
一緒に回らせてもらった。
最初からそのつもりだったんだ。
僕はAを好きになってよかった」
『……』
海人「今までありがとう。
これからはちゃんとした友達でいようね。
じゃあ、そろそろ廉が来そうだからバイバイ」
海人くんは最後の最後で一滴の涙を
零して教室を出ていった。
私はその場にｽﾄﾝｯと座り込む。
どうして今まで気づけなかったんだろう。
ずっと答えは出ていたはずなのに。
私は、海人くんが好き……なのに。
今まで散々傷つけて、
どれほどキミを悲しませたんだろう。
どんどん視界が歪んでいく。
涙が溢れて止まらない。
私はずっと……
＊「A……泣いてんのか？」
どうして海人くんの言葉通りになるの？
どうしてここに永瀬くんがくるの？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 847人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かいとん - おめでとうございます！他の作品も楽しみです。 (2020年2月16日 4時) (
レス) id: fb912074b2 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー☆(プロフ) - みーさんさん» ありがとうございます！！ (2018年10月1日 21時) (レス) id: 3719d2f160 (このIDを非表示/違反報告)
みーさん(プロフ) - 完結おめでとうございます(*^o^*) (2018年10月1日 1時) (レス) id: 2f3f1aaf25 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー☆(プロフ) - 亜美さん» りょーかいです！遅くなるかもですけど... (2018年9月22日 17時) (レス) id: 3719d2f160 (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - 夜分遅くにすみません。中々読む事が出来ず、やっと読めました。リクエストの事なんですけど、書いて頂けるのなら番外編でいいですよ。 (2018年9月22日 3時) (レス) id: 805d57abf6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チェリー☆ | 作成日時：2018年8月11日 0時
