#34 : 一方通行 ページ34
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「A！」
誰かに腕を掴まれて
段差から転がり落ちることは免れた
少し膝をかすった程度
私の腕を掴んでいた手は強さと勢いを増して
体勢を整える
「A、怪我は？」
『だ、大丈夫』
「ったくライトぐらい付けろっての」
私の腕を離した深田は、勢いよく通り過ぎていたった自転車を目で追う
『ありがと深田』
「マジ感謝してね、俺が居なかったら今頃…」
段差の下と私を交互に見る深田
恩着せがましいと思ったけど、深田が居なかったらもっとひどい怪我になっていたかもしれないのは事実で
今回ばかりは感謝しかない
「Aは俺が居ないと地下鉄で迷子になるし〜
講義室は間違えるし〜、自転車にぶつかられて転びそうになるし〜」
やっぱ嘘
深田なんて嫌いだ
『そんな昔のことまで掘り返してこないでよ』
私の悪い所はあまり颯太くんに聞かれたくない
大体、地下鉄も講義室も何ヶ月も前の事だってのに
「、2人とも仲良いね」
「でしょ」『どこを見てそう思った？！』
颯太くんの斜め上の発言に慌てて返した言葉が深田と被ってしまった
「相変わらず深キョンの一方通行だねー」
バケツを持って帰って来た安嶋くんと栞ちゃんは先程の光景を見てか、クスクスと笑う
『栞ちゃんおかえり！』
「俺は？！」
「安嶋くんおかえり♡」
「え、きも。てか深キョンじゃなくてAちゃんに言われたかった」
「それは悪口やん！」
夜の空気感に呑まれているからか何でも面白く感じてしまう
笑い声に包まれて、ふと隣に視線を移した
『…颯太くん？』
安嶋くんのつけたライターの小さな光に照らされて少しだけ見えた颯太くんの顔は
また、見たことのない表情をしていた
颯太くんは何を見て何を思っていたのだろうか
あの時の私には知る由もない
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徒歩５分(プロフ) - 更新頻度も不安定なものでしたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。やっとこちらが完結したのでノマエンの方も再更新したいと思います。 (2022年1月13日 2時) (
レス) id: 045302e95b (このIDを非表示/違反報告)
徒歩５分(プロフ) - 作中には書いてませんが深田くんは最後まで主人公を想い続けていました。それ故に想いを伝えることなく内村くんの背中を押した。伝えても主人公を悩ませてしまうと分かっていたからです。 それが1番愛が重い気がしたので、という完全なる私情ですがね🙌 (2022年1月13日 2時) (レス) id: 045302e95b (このIDを非表示/違反報告)
徒歩５分(プロフ) - 話数も文字数もいっぱいになってしまったので此処であとがき失礼します。 どうしても50話で終わらせたくて最後に詰め込んだ形になってしまいましたがお話はこれで完結です。 (2022年1月13日 2時) (レス) id: 045302e95b (このIDを非表示/違反報告)
徒歩５分(プロフ) - 結羽さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです (2022年1月13日 2時) (レス) id: 045302e95b (このIDを非表示/違反報告)
結羽 - コメント失礼します🙇♀️更新楽しみに待っています。 (2022年1月6日 21時) (レス) @page43 id: dae3c1a76c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：徒歩５分
| 作成日時：2021年7月18日 15時
