一生忘れない一瞬を (ページ4)

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放課後

ちゃかとうみに別れを告げて写真部の部室へと向かう

ボーッと歩いていると後ろから名前を叫ばれた

『わ、まつくじゃん』

肩にかけたエナメルバックをおさえてこちらに駆け寄ってくるまつく

走ったのか少し息が荒い

「A、今日部活何時まで？」

『それ聞きに来たの』

「うん、帰れるなら一緒帰ろうと思って」

『言うても、１６時半とかだよ』

マジかーってガッカリしている

どうやら、最終下校時刻まで部活があるらしい

流石にそこまでは待ちたくない

そう告げると、さっきまでの勢いが嘘みたいにしょぼくれ出した

寂しい背中を見送って部室へ急ぐ

なんたって、今年入ったばかりの可愛い後輩が待ってるかもしれないんだから

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前に勢いよく開けたせいで滑りの悪くなった扉を開ける

部室には予想通り可愛い後輩ちゃんが待っていた

「A先輩、遅かったですね」

『ごめん、ごめん
もしかしてもう写真選び終わった？』

「それはまだです～」

くりくりな目に色素の薄い綺麗な髪
女の私から見ても可愛い自慢の後輩の桜子ちゃん

「A先輩はどれが良いと思います？」

空き教室からパクったローテーブルに何枚も並べられた写真はどれも魅力的で迷ってしまう

『どれも良いけど…』

「俺はこれかな～」

耳元で聞こえた声

背後から伸びてきた手は一枚の写真を取り上げた

『あ、私もそれ良いとおもっ、は？！』

声の主は中村海人

突然のことに驚いたのは私だけではなかったようで
桜子ちゃんまでポカンとしている

『なんでうみがここに居んの』

「なんか海斗部活あったらしくて、一人で帰んのもなんだしAの事待ってあげようかなって」

迎え来た～ってこれまた緩い返答

『私達、写真選ぶから、』

「俺も手伝う、だからさっさと決めて帰ろ」

桜子ちゃんの写真に手をかけるうみ

少し他人行儀だけど、いつもよりは愛想良くしている気がする

そのおかげか、うみが何か褒めるたびに桜子ちゃんの頬が心なし赤くなっていく

昼頃に感じた違和感の正体

これ、メールの通りの出来事が起こってない？

ちゃかが休みと思いきや部活でうみと帰るって

じゃあ一生後悔するって何？

詐欺メールかと思いきや予知メールで

そのメールからよく分からない忠告をされて

不可解な出来事に頭を悩ませる私に反して
写真を見て笑い合う桜子ちゃんとうみ

そんな2人の姿に胸騒ぎがした

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