一生忘れない一瞬を (ページ13)

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写真部部室の近くまで来て周りを確認する

「マジで超はずかった」

『いや、それこっちのセリフ

………あ』

外は明るいのに窓にポツポツと当たる水滴

「え！今日雨降んの？！」

『まつく知らなかったの？』

「知らなかった…
やば、傘持ってきてない」

こんな身近に傘を忘れたお馬鹿さんが居たとは

うみでも持ってきてたのに、さすがまつく

慌てふためく姿に笑いが込み上げる

『私傘持ってきたから一緒帰る？』

「でも俺また最終下校まで部活…」

『別にそんぐらい待つよ』

「この前は待ちたくないって言ったくせに」

『ケチつけんなら帰るけど』

「あー！ごめんて、帰る！帰ろう」

『じゃあ下駄箱集合ね』

鍵閉め係にならないようにって走り去るまつく

気にかけてくれたお礼言うの忘れたけど
帰りに何か奢ればいっか、なんて考えて

まつくに買うもので頭をいっぱいにしていた私は完全に浮かれていた

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誰もいないだろうと踏んで足で部室のドアを開けた

「こら、A～！」

『あ、如恵留先輩』

足癖が悪いってプンスコしてるのは１個上の川島如恵留先輩

もう1人いる３年の部長に人数合わせで写真部に入れられたらしい

色々な部活と兼部してるからほとんど顔を出さないけど、当の部長さんよりはまだ来る方

そんな如恵留先輩の隣にちょこんと座る桜子ちゃん

今日も可愛い

『今日は何するんですか？』

「一応、撮った写真の意見交換会かな」

一応ってなんだ

相変わらずゆるい部活
月二も集まる意味はあるのだろうか

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