一生忘れない一瞬を (ページ1)

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朝7:30

3回目のスヌーズで起床

インスタを見ながら寝落ちしていたようで
スマホのバッテリーは残りわずか

慌てて充電器を挿すと同時に普段は使わないメールが通知を知らせた

支度をしなきゃと思いつつも
急用だったら、と目を通す

知らないアドレスからメールが一件

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宛先:A＞
20××/06/22

Aへ

私は未来のA自身です

７年後の世界からこのメールを送っています

私の事だから「何これ胡散臭、新手の迷惑メール？」とか考えて、閉じようとしてると思うけど
とりあえずちゃんと読んで欲しい

今日は部活に行かないで

宮近が部活休みって言うけど勘違いで本当はあるの
だから中村と一緒に直ぐ帰って

一生後悔するから

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朝から無駄な時間を過ごしてしまった

最近の詐欺メールは一風変わってんな
こんな胡散臭い話に誰が騙されるんだ

未来の自分とか漫画の世界じゃないんだから

こんなので16歳の女子高生を騙せると思ってるなら詐欺師はよっぽどの馬鹿だ

だけど、私の名前だけじゃなくて友達の名前まで知ってるのは流石にすごい

こういう個人情報ってどこから漏れるんだろう

なんて、呑気な事を考えていると切ったはずの目覚ましがもう一度鳴った

『やっば！』

一階から母親の声が聞こえる

遅刻するわよ～って私が1番分かってんだって

部屋着と化した中学時代のジャージを脱ぎ捨てて制服を着る

その日の朝食はいつもより豪華で

それだけで頭がいっぱいになっちゃうような単純な脳を持つ私は、朝見たメールの存在なんてすっかり忘れていた

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