155話 ページ10
「«本当に、いいんだな？»」
念を押して聞いてくる。これで何回目だろう。
『うん。みんなのためだよ』
精一杯笑って言った。電話だから“お兄ちゃん”には見えていないけど、笑っていたら明るく言える気がしたから。
「«……そうか。じゃあ、明日な»」
『うん。よろしく』
ツーツーと無機質な音が鳴る。暗転したスマホをベッドに放り投げて、そのまま自分も仰向けで寝転んだ。
また�犁喚瓩�出た。
なんで今？ なんで？ 鬼舞辻は殺したはずなのに。なんで気づけなかった？ なんで……なんでこうなった？
『クッソ…！！！！』
みんな、あんなに、苦しんだのに。
なんでまた。
私一人で終わらせられたら良かったのに。
なんで？
なんで私には、力も“意思”もないんだよ。
「……A？」
お兄ちゃんがドアを少し開けて部屋を覗いていた。
『なに？ 飯はいらないって言ったよ』
「あ、いや！ その話じゃなくて……いやその話でもあるんだけど……」
何故かめっちゃアワアワしている。
落ち着いたところで「入っていいよ」と言うと、またしばらくアワアワしたあと探るように入ってきた。
「二つあって…！ 一つは、このバームクーヘン美味しかったからどうかなって。さすがに何も食べないのは心配で……」
丁寧にお皿に乗せられたバームクーヘン。まわりにはホワイトチョコレートがかかっていた。
『ありがとう』
「うん！」
早速バームクーヘンを食べてみる。確かに美味しい。
「それと、もう一つ……Aはすっごく頑張ってるよ！」
いや。
『……は？』
無意識に言葉を発していた。きっと、目は点になっているだろう。
「最近……というか、3日くらい前からいつもと様子が違う感じがしてて。どういう風に、って言われたら上手く言えないんだけど……」
『……』
「僕の勘違いだったら一蹴してくれていい。体育祭のときも考え込んでたように見えたから……
Aにはたくさん救けられた。だから、今後は僕がAを救けたい！」
相変わらず真っ直ぐな瞳をしていた。
『あんなに蹴落とす気満々だったくせに』
「そ、それはAもでしょ！？」
『戦うことなかったけどな』
「ウ"ッ……」
バツが悪そうに下を向いて「轟くん強すぎて……」とボソボソ言い訳をしていた。
……今回は、私も人のこと言えないからな〜。
『……お兄ちゃんも、ちゃんと頑張れよ？』
もちろんだよ！と言いながら、気合いを入れていた。
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夢花(プロフ) - きみさん» そうなんですか…！はい！頑張って読んでいきます!!! (2021年6月26日 11時) (
レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
きみ(プロフ) - 夢花さん» おおっ！一気読み…！ありがとうございます！面白すぎてだなんて……照れますねぇ照れますねぇ…… あっ、恋愛の方はオチが決まってないのでグダグダですけど、良ければ楽しんで下さい！コメントありがとうございました！ (2021年6月26日 10時) (レス) id: 3b2db9dbf2 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - あぁなんか…波乱の予感がする…恋愛の方で…あっ、どうも。面白すぎてここ迄一気読みしました!!! (2021年6月25日 16時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
りーたん☆ - しのぶ、ねじれちゃん推しなんですね！私はむいくん推し(≧∀≦)もう、かわいっくて、かっこよくて‥‥くふふふ←もう、心臓持ちません！もう、もう、心臓があああ（彼女は今、興奮状態です。繰り返します。彼女は今、興奮状態です。） (2020年9月28日 18時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
りーたん☆ - 無惨キターここから、鬼殺隊のみんなに会うのかな？ (2020年9月28日 18時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2020年9月17日 7時
