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助ける方向が違うんだよなぁ。と、思いつつも帰る口実を作ってくれたことには感謝する。不本意ながらも素直にお礼を言えば、茅ヶ崎さんは満足そうに笑った。なんか、機嫌良さそうだな。



「こっちで飲み直す?」


『…いや、お酒にはいい思い出がないので帰ります。』


「へぇ、喧嘩売ってんの。」


『どうでしょうね。』


「茅ヶ崎、何やってんだ。」


「あ、先輩。」


「…って、お前…」


『弓原です。』


「何度も言わなくてもわかってるから。」


『どの口が言うんですか……』


「で、いい男は捕まえられた?」


「……え、先輩、こいつが合コン行くの知ってたんですか!?」


「相談されたんだよ。な?」


『したくてしたわけじゃないですからね!』



やっぱり、茅ヶ崎さんには言わないでくれてたんだ。ふーん…と、どこか面白くなさそうな顔をした茅ヶ崎さんが、腕時計を見た。



「帰るなら近くまで送ってく。」


『え、でも、先輩飲んでるんですよね?』


「ん。だから歩き。」


『なら別に一人で帰れますよ。』


「暗いだろ。駅まで送ってくから、早く鞄取ってこいよ。」


『…あの気まずい席に戻れと!?』


「しょうがないだろ。帰るならさっさと行けって。」


『先輩の鬼!』


「お前な〜〜〜〜」



口角がヒクヒクとしている先輩に、あっこれはまた拳骨が落ちてくると思った私は、仕方がなく、美咲たちがいる席へと戻ることにした。













「随分と肩入れしてるんだな?」


「……先輩こそ、勝手にあいつの相談に乗らないでください。」


「嫉妬深い男は嫌われるよ。」


「(このエリートクソメガネ…!)」






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作者名:しあ | 作成日時:2019年6月27日 22時

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