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「至さん、千景さん、ご飯ですよー……って、えぇっ!?」
第三の住人!?先輩と卯木さんの家じゃないのここ!勢いよく開いた扉から見えたのは、ふわふわの赤い髪の毛の男の子。見た感じ年下で元気な子だった。私を捉えた瞬間、ぽかんと口を開けて面白い顔をしていた。
「咲也、おはよ。悪いんだけど、朝食一人分多くできないか臣に聞いてきてもらえる?」
「えっ?あ、は、はい!わかりました!」
「ん、ありがと。」
ぽかんとした顔から一気に、ぺかーっと眩しいくらいのいい笑顔を見せてくれた男の子が、再びドタバタと廊下を走っていく。
…だめだ。理解が追いつかない。先輩と卯木さん以外に住人がいて、しかも、年下の男の子で………って。
『…どっちかの息子さんですか?』
「ぶはっ」
「さすがにそれはないだろ。」
『どういうことですか!?』
「まぁ、とりあえず朝食でも食べながらゆっくり話そっか。」
先輩にそう言われ、部屋を出ればものすごく広い廊下が続いていた。2人暮らしにしたら広すぎるこの家に、ますます疑問が浮かぶ。
あ、いや。2人じゃないんだっけ?あの…名前忘れてしまったけど、ふわふわの髪の毛の…ポメラニアンみたいな男の子も一緒に住んでるっぽいし。
「はよー。」
「あ、至さん千景さん!おはようございます!」
「おはよう。いい匂いだな。」
「インチキエリートが、休日に朝から起きてくるとか何事?」
「確かに珍しいですよね。今日何かあるんですか?」
「まぁ、ちょっとね。」
________は?
先輩が開けた扉の先には、沢山の人が。しかも、全員男の子?年齢もタイプも様々な男の子が沢山いて、私は思わず寝ぼけてるのかと目をゴシゴシとさせた。
「お前は何でそんなところで立ち止まってんの?」
『説明してください!』
「…え、女の人!?」
「茅ヶ崎がお持ち帰りした子だよ。」
卯木さんのその言葉に、ざわっとし始め全視線が私へと向く。先輩が、「冗談やめてくださいよ。」と相変わらず胡散臭い笑顔を浮かべて、私の手を引いた。
「会社の後輩。」
「…えっ…と、弓原Aです。」
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作者名:しあ | 作成日時:2019年6月27日 22時