綺麗な花に棘がある。【茅ヶ崎至】 (ページ14)

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頭が痛い。ズキズキとこめかみ辺りが痛んで重たい瞼がを開ける。朝？ぼーっとした頭だと何が何だかわからないけど、どうやら朝のようだった。

______ん？てか、ここ、私の家じゃなくない？えっ、待って待って。枕元に放り投げ出されていたスマホを操作すれば、今日は土曜日で休日。

服は………着てる。とりあえず自分がちゃんと衣服を着用していることに安心するけど、これは私の服じゃないし。どうなってんだ？？そう思いながら寝返りを打とうと反対側に体を向けた時。

「…すぅ…」

『ぎ、』

ぎゃあ、と声を上げそうになったのを必死に両手で口を覆った。目の前には眩しいくらい整った綺麗な寝顔。

先輩が、何でここに！？！？パニックになった頭を一度落ち着かせようと、もう一度逆側に寝返りを打つ。

昨日、先輩とご飯に来て…今日は飲まないって宣言したのに、調子に乗ってワインのボトルを空けてたんだ、私。それで酔っ払って、また先輩に迷惑をかけている………？

『…いやいや、私アホすぎ…？』

「やっと気づいたか。」

『ひぃっ！？』

「……シー…静かにして。」

『え、え…！？』

ぎゅ、と後ろから抱きしめられ、耳元で聞こえる先輩の声に柄にもなくドキドキしてしまった。どういう状況！？振り返るに振り返られなくなってしまって、あの、その、…と短い言葉しか出てこなかった。

「こっち向いてよ。」

『嫌です。』

「実力行使っと。」

『うわっ、』

無理やり向かい合うように体を回転させられ、再び私の前に現れたのは、会社で見る爽やかな先輩ではなく、寝起きだからか何だか危うい雰囲気の先輩だった。

髪の毛もいつもみたくセットされていなくて無造作だし、会社でいる時よりも表情が柔らかい。眠たそうな瞳でふにゃりと笑った先輩に、かなり調子が狂ってしまう。

「まさか2日連続でお持ち帰りできるとは。」

『……絶対私のこと好きですよね？』

「お前ら、起きろよ。」

『ーーーッ！？！？！？！？！？』

「はは、驚きすぎワロ」

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