＊2 ページ46
お腹すいたら、温めて食べてね。
そう…メモを残し、またため息をついた
私は…だだっ広い部屋の真ん中で…ひとり。臣と付き合った日の事を…思い出していた
私がやっていたカフェによく来ていた臣。いつも注文するのは…カフェラテとクラブサンド。
大きな口を開けて、かぶりついて、凄く美味しそうに食べるから、いつも思わず…見惚れていた…
祖父の代から、やってきたお店だけど…
道路拡張に伴い…立退かなければならなくなり、最後の営業日が、忘れもしない
…偶然にも…私の誕生日だった…
閉店後の片付けをしていた 私の元へ、黄色いダリアの、大きな花束を持って、走って来てくれた臣。
『よかった…間に合った。誕生日おめでとう。』って
額に汗を滲ませて…はにかんだ笑顔で…そう言ってくれたよね。
一度も誕生日の話なんて、した事ないのに…バイトの子にこっそり聞いたって…言ってたっけ
「…ありがとう…」
『俺、花束とか、初めて買った。すっげぇ、恥ずかしい…っ』
そんな、照れた姿が可愛いくて…花束ごと あなたに恋をした…
『好きなんだ…。俺と付き合って欲しい。』
凄く…嬉しかった。
時々見せるすっごく優しい顔も…
洋服の袖で口元を隠して笑う顔も…
身体の芯に響くような…あの声も。
あなたの全部が…大好きだった…
だけど、いつも大事な時は1人で…本当は寂しかった…。
鼻先が触れるほど…あなたを見つめていたいし…
胸が張り裂けそうなほど、あなたを愛してると…叫びたいのに…
それはもう叶わない。
ずっと、ずっと、ずっと、あなたが…好きでした…
だから最後くらい…また、春めくような
綺麗な…さようならさせて…
そう1人呟いて…こっそり消えようと…
ドアに手をかけた瞬間……
……！！
同時に…反対側から開けられた…
『…どこ行くんだよ。』
走って帰ってきたのか、肩で息をしながら…あの時みたいに。
“別れよう。”
そう…言わなきゃいけない。
私が今、別れを告げる事が、彼にしてあげられる…最後のプレゼントだから
なのに…あなたの顔を見たら…
その最後のセリフが言えなくなって…
苦しくて…
ただ…あなたを見つめてた
『嫌な予感が…した。だから…急いで、全部投げ出して…帰って来た。
お前を、どこにも…行かせない。』
私を、ぎゅっと抱きしめる臣の腕
この腕の感触を…私はきっと
一生忘れない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 823人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「三代目JSOULBROTHERS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひろみ(プロフ) - みゆさん» 喜んでいただけて何よりです✨時間ある時、読んで下さい🥰 (2022年10月24日 16時) (
レス) id: 1c046313db (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - short story大好きです！！パスワード解除ありがとうございます！！！またキュンキュンさせていただけて嬉しいです😊 (2022年10月24日 14時) (レス) @page49 id: 8bff029943 (このIDを非表示/違反報告)
ひろみ(プロフ) - Ks411113さん» ありがとーございます‼️ショートはあまり得意じゃないけど、また書く事もあるかもしれません😊臣ちゃんですね♪了解です✨ (2022年10月22日 22時) (レス) id: 1c046313db (このIDを非表示/違反報告)
Ks411113(プロフ) - shortstory大好きです！新作あったら嬉しいです！特に臣ちゃん希望です。Pale blueは何度読んでも涙だが出ます。 (2022年10月21日 23時) (レス) id: 009c65d6a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年6月26日 12時
